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太宰治賞応募から、自費出版までを振り返って。
伝えたいこと、書きたいことを初めて一つの小説にしました。
第三十七回太宰治賞に初応募し、落選。
それでも、
誰か一人にでもいいから読んでもらいたいと思い、勇気を振り絞って、三月に自費出版を決意しました。
色々ありましたが今、手元に自分の本があります。
もっと特別に満足したり、喜んだりできるものだと思っていましたが
実際の気持ちは、意外にも違いました。
本って責任重大。
本を出すって、人の目に触れるって、簡単なことのようで、全く簡単でないです。
読者さんは、大切なお金を使い、貴重な時間も費やしてくれます。
なので、情報に間違いがあっては問題です。自分が適当に思ったこと、書きたいことだけを書いていくと、せっかくの信用を失うことにもなります。もちろん、誤字脱字にも気を付けなくてはいけません。
映像も絵も、音もにおいも何も無いし、はじまりからおわりまで作者がページをつくりあげていくのです。
本に書かれている文字だけが、その本の確かな情報。
「自分だけが書きたい」 でもいいと思うのです。
でも私の場合、誰かに読んで欲しい。
なので、自分だけが書きたいことじゃ駄目だし、誰か一人にでも伝えられればいいというのも、手離しすぎるかもしれません。
そうなると、矛盾が出てきます。
「誰か一人にでも伝えられたら……?」
本当は、
「誰か一人にでも読んでもらいたい」ではなく、「一人でも多くの人に読んでもらいたい」と思う気持ちが、真実なんだと気づきました。
事実を伝えることは、何よりも大切です。
一度間違うと大変です。
だから、真剣に向き合わなくてはいけないのです。
当たり前のことをつらつらと書いているのですが、
私自身、
自費出版を経て、初めてこのことが理解できました(遅いかなっ)。
本当に色々と、勉強になりました。
記念にパシャリっ!
たった四百部ですか、七月前後から本屋さん、インターネットで発売開始だそうです。
「誰か一人でも多くの人に、読んでもらえますように!」
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