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【日記】感謝の手紙


しばらくの間、自分のことを書くのが億劫で日記から遠ざかっていた。
書いて何になるのだろう…過去の経験から未来の私が助かると分かっていても、ペンを握る気力が出なかった。

何においても、気力が出ないときは大抵疲れている。
だから私は無理に日記をつけず、放置することにした。いずれ必要に駆られて、再びペンを手に取るときが来るから。

それが今日だった。
とはいえ、明日にはすでに飽きているかもしれない。
今まで三日坊主どころか一日坊主で終わることが多い。それでもいい。
続かなかったからといって、何かペナルティがあるわけじゃないのだから。


前置きが長くなったから、そろそろ本題。

今日の仕事中。午前の仕事を終えて、昼ごはんを食べに行こうとしたときに、いつもペアを組んで行動している方から「来月退職することになった」と突然言われた。
そして「お手紙を書いてきたから今渡すね」と、一旦ロッカールームに戻ってその場で渡された。
私は「ありがとうございます」と受け取った。

そのときは冷静だったけれど、昼ごはんを食べている途中から「寂しいなぁ…」という気持ちが現れはじめた。気を抜くと涙が出そうだった。けれど周囲に人がいたから、心を無にして黙々と完食した。

ペアの方は、初日から現在まで私の教育係として、数々の仕事を教えてくれた。
ほんわかしていてちょっぴり天然な、笑顔が素敵な女性。
歳が50も離れているから、合わなかったらどうしようと最初は思ったけれど、互いに干渉しすぎず、適度に大雑把な性格だったから、一緒に仕事していて心地良い人だった。

言葉選びが丁寧で傷つくことを言わない人だった。
昨年私がコロナで一週間ほど休み、治ってから職場に来ると、その方は「○○ちゃんがいなくて寂しかった」と言ってくれた。一週間も一人でこなすのが大変な仕事をやっていただろうに、それについては一切触れず私が来たことを純粋に喜んでくれた。

もらった手紙も普段の丁寧な言葉であふれていて、心が温まるのを感じた。

私は手紙を読んだあと、お礼の手紙を書くためにレターセットを引っ張り出した(手紙を受け取った瞬間から、手紙を書くことは決めていた)。
いきなりぶっつけ本番で書く勇気は無かったから、iPadのメモアプリに下書きを打つところから始めた。

長すぎず、短すぎずの文章を一枚にまとめて、リビングに誰もいないうちに書き上げた。
これを明日その方のロッカーに入れておく。
明日その方は休みなので、目に触れるのは数日後になるだろう。


シフト表を改めて確認してみたら、9月の中旬辺りまで来るそう。
一緒に仕事できるのはもう1ヶ月も無いけれど、それまでの日数を大事に過ごそうと思う。

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