見出し画像

夏、ある日

せみしぐれ、という単語から
かき氷が食べたくなるのは
きっと、わたしだけなんだろう

ぼんやり、きき入る、せみの声
せみしぐれ、と言うにふさわしい
なんでだろうか、きき入ってしまう

せみの声が
激しい雨音のようでもあり
テレビの砂嵐のようでもあり
押しよせてくる波のようでもあり


見慣れない鳥が、数羽
えさを食んでいる
その鳥を見て

食べられるのかな?

おいしそうでは、なさそうだけどね

なんて、思ってしまうのは
最近、ちゃんと、肉を
食べてないからなのかな


どこかの家から流れてくる
コーヒーのいい香り

少し、はや足なんじゃない
ちょっと、ゆっくりしたら

と、言われているような気がし
はっとする


建てかえが決まっている近所のアパート
洗濯物が干してあるところを見ると
まだ、人が住んでいる様子
建てかえなくたって
いいような気もする
いろいろな思惑
わたしが、知るところではないけれど


ひまわりではない夏の黄色い花は
ちゃんと、じっくり、見ていられるのに

ひまわりが嫌いなのではない
あまりにも力が強すぎて
きちんと受けとめてあげらんない
ごめんね、弱っちくてさ
毎年、そんなことを思っている



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?