No.33 アンダルーサイト

アンダルーサイトの特徴である多色性がくっきりわかる良いルースだ。この一個のルースで渋めのグリーンと夕焼けのようなオレンジをメインに、イエローやブラウンなど様々な色合いを楽しむことができる。角度によって色のバランスが変わるので、見ていてとても面白い。決して派手な色ではないのだが、見応えは十分な美しいルースである。
私はアンダルーサイトが好きだ。
パイライトとスフェーンの次に好きだ。
元々ここまで注目している鉱物ではなかった。存在は知っていたが他の鉱物に比べ優先度が低く、積極的に「欲しい！」と思う品ではなかった。
しかし、たまたま機会があり「珍しいし購入するか」と通販にて気まぐれで買ったのだが、実物を見て私は驚愕した。
オレンジや緑など光の加減で様々な色合いを見せるアンダルーサイトに「多色性ってこんなに美しいものなのか！」と感動した。それまで私はアンダルーサイトのことを甘く見ていた。そんな自分を後悔するほど美しく感じたのだ。
以来このアンダルーサイトは私のお気に入りの一つとなった。石会など自慢のコレクションを披露するとき、大体このルースはコレクションの一つとして持って行くことが多い。
アンダルーサイトは色味が地味だからか宝石としてはマイナーな方だ。
少しもったいないなぁと思いつつも、この美しさを秘密にしたいような気もする。
地味な色でも味がある。
そんな鉱物があるから鉱物収集は楽しいのだ。

【補足】

「石会」
鉱物収集者の間で行う交流会やオフ会をこう呼ぶことが多い。
コレクションを見せ合ったり鉱物談議に花を咲かせたりする。