見出し画像

No.19 ダイオプサイト

19.ダイオプサイト

まるで力強い葉っぱのように、深く鮮やかなグリーンが特徴的なルースだ。曇りなく澄んでいるためそのグリーンがより引き立って見える。
ダイオプサイトは和名を「透輝石」という。その名の通り質の良いものは透き通るような爽快感があって大変美しいのだが、劈開が強く割れやすいためジュエリー用というよりコレクター向けの観賞用として人気が高い。
さて、話は変わるがダイオプサイトはグリーンというイメージが強い鉱物である。しかしダイオプサイトは青や褐色、無色など他の色でも産出することがある。特に菫色のダイオプサイトは「ビオラン」と呼ばれ、コレクターから高く評価されている。また、ダイオプサイトは日本でも産出することがあり、埼玉県の秩父鉱山では白く不透明なものが採れるそうだ。
でもやはり人気があるのは深く鮮やかなグリーンの個体だろう。くっきりとした緑は細かくカットを施せばきりりと映えるし、カボションカットで透明感を強調すれば清らかさが生まれる。
ジュエリーには適さないが宝石にする価値は十分にある鉱物だ。

【補足】
カボションカット
表面を丸く滑らかに仕上げた加工方法。色や透明感を強調させたいときに使う。

【参考資料】

「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社  2016年

「ネイチャーガイド・シリーズ 宝石」
ロナウド・ルイス・ボネヴィッツ 文
伊藤伸子 訳   化学同人  2015年


よろしかったら、支援していただけるとありがたいです。支援していただいた皆様のご厚意は、創作活動に使用させていただきます!