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No.21 クリソベリル
キラキラ輝く太陽のようなクリソベリル。光を当てるとフレッシュな輝きが満ち溢れてくる。少しインクルージョンが入っているがそれも輝きに華を添えていてまた良い。
クリソベリル。「ベリル」という名前がついているが、ベリルとは全く別の鉱物である。化学組成も違うし硬度も屈折率もベリルとは異なる。どちらかと言うとベリルよりコランダムに近い鉱物だ。
じゃあ何で「ベリル」という名がついたのか?
理由は簡単、発見されたときに「ベリルの新種だ!」と勘違いされたからである。そしてベリルとは別物だとわかった後もそのまま「クリソベリル」と言う名前で今日に至るというわけなのだ。
確かにケイ素以外の構成元素はベリルと一緒だが含まれ方が違うし、そもそも硬度や屈折率がだいぶ違うのだからなんとなく「ベリルと違う」とわかりそうな気がするが、それよりも「ベリルと別物」とわかったのに、名前をそのままほったらかしの状態で今日まで至っている「まあ、いっか」感に私はツッコミを入れたくなる。
が、その辺りはノータッチでスルーするとして、クリソベリルはベリルとはまた異なる魅力がある。カラーバリエーションはベリルに劣るが、硬度と靭性はとても高いためアクセサリーに適している。サファイアやエメラルドに比べたら案外マイナーな鉱物だが個人的に身につけるのにはオススメな鉱物だ。
ちなみに、アレキサンドライトはクリソベリルの一種である。クリソベリルの中でカラーチェンジを起こすものを「アレキサンドライト」と呼ぶのだ。更に余談だが最近では「コランダムだ!」と思って採掘したら、いくつかクリソベリルが混じっていたという事案が度々発生しているらしい。棚から牡丹餅なのかどうかは不明だが、今でも何かに間違われるクリソベリルであった。
【参考書籍】
「価値がわかる宝石図鑑」
諏訪恭一 著
ナツメ社 2016年
「ネイチャーガイド・シリーズ 宝石」
ロナウド・ルイス・ボネヴィッツ 文
伊藤伸子 訳 化学同人 2015年
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