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パンケーキ・シンドローム

何これ。語感がステキ!
バズってる~。
きっと大喜利祭りだ。ニュースポチ!

ホットケーキミックスなどの袋の中で繁殖したダニを食べてしまうことで引き起こされる、アレルギー症状のことなのだ。

がっかり。

バズっててもあまり大喜利になってなかった。
(と言いつつ小麦粉を冷蔵庫に入れる)

夢がない!夢がほしい!
でもこんなにバズったのはぜったいにその語感のせいだ。みんな「ん!?」と思ったはず。その文字のインパクトに引かれてのはず。

もっとこう…。

ゆるふわな日常…いつものカフェ…イケメン(男女問わず)とまでいかないけど、感じのよい店員さん…。距離が縮まりそうで縮まらない!もどかしい…けどこの心地よさを壊すのも怖い…。

とかそういう、女性雑誌に連載されてそうな小話。

そこのカフェは窓口販売されていて、飼い犬のお散歩づれの人がコーヒーを買ったりする。
次のお客は奥さまで、地面に置いたキャリーバッグからねこがひょこっと顔を出す。
するっと音もなくバッグを抜け出した。飼い主である赤い口紅の奥さまが気付いて止める間もなく、するする店内に入ってしまった。

あっ!

ねこが店じゅうを走り回り、犬は吠え立て、パンケーキはひっくり返ってお姉さんのスカートにさかさまに転落、サラリーマンの手からコーヒーが飛び出してパソコンの上にひっくり返る。
つまり大惨事。

と予想した未来は、一瞬で消えた。
成り行きをじっと見守りながら、犬は終始お行儀よくじっと座っていた。ねこは悠々と店内をゆっくりと一回りしてから、ひょいと自分からキャリーに納まり、奥さまは扉をしっかり閉めた。いかにも文句を言いそうなしかめっつらの怖そうな人が奥さまの荷物を支えて手助けする。

奥さまは何事もなかったかのようにキャリーを抱えて去った。ごめんなさいねの一言も言わず。周囲もそれが当たり前のように各々の皿とパソコンに戻る。

いつもの店員さん(男女問わずイケメン)が、にっこり笑った。
「ちょっとびっくりしましたね」
なごやかな日常は乱されたと見えて何事もなく、いつも通りの静けさを取り戻す。

今日もまた私はパンケーキをたべる。

みたいな…

そういうさあ!ありがちてんこもりの、普通こそ正義!という。
ふわ~っと終わったけど、読後感よくて癒されましたね(感想文)という…。

誰か、誰か書いて~~!(切実)


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