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最近読んだ漫画5タイトルまとめ『WESTWOOD VIBRATO』『えびてん 公立海老栖川高校天悶部』『Another』『KISS MY ASS』『パプリカ〜The dream-child〜』

記事にしなかった漫画を含む5タイトル分まとめます。基本的にネタバレ無し。


① WESTWOOD VIBRATO

南アフリカで楽器修理店を営む女性の話。1巻しか読んでない。

  • 作者:尹仁完、金宣希

  • 巻数:全4巻

  • 個人的な点数:68点

天才楽器修理師のコーネリアが楽器の修理の中で客の思い出や楽器にまつわる話を聞き、時に問題を解決していくヒューマンドラマ。

正直1話はよくある「この壊れてしまったサックスは今は亡き女性に向けて演奏してた時のやつで〜」なシナリオで淡白で面白くなかったけど、2話のユダヤ人をガス室へと送る合図を出していたトランペットの話から急に面白くなった。
1巻最終話の集落が立退で壊されていく中でも非暴力を貫き逆にそのことを祝って踊る話も面白い。

『WESTWOOD VIBRATO』1巻

ただ1回読んだら満足な内容ではある。話は美しいが喜怒哀楽が生じないので人によっては物足りなく感じるだろう。
加えて人を選ぶタッチの作画なのでそこでも好き嫌い分かれると思う。

アニメ化したら隠れた名作になりそう感はある。


② えびてん 公立海老栖川高校天悶部

絵柄は最強だけど中身は…

  • 作者:すかぢ、狗神煌

  • 巻数:既刊4巻

  • 個人的な点数:53点

狗神煌による圧倒的なキャラクターデザイン力によってキャラ目で見ることはできるがノリはキツくギャグは寒くシナリオは面白くない漫画。

主人公の男子高校生・一樹が女の子5人で構成された部活・天文部ならぬ天悶部に入部したことで巻き起こるドタバタコメディと後半のシリアス展開で構成される。

一樹は財閥の息子で身体から発せられるフェロモンで女を服従させてしまうため普段はフェロモンがでないように気をつけているが、冗談半分遊び半分で部員によりフェロモンを出すよう仕向けられ、部員はエロい目に遭うのがテンプレ。幼女化したり巨乳化したりフェロモンを出している間の一樹がロリコンだったりとこの手の漫画でキシキシできるオタクがキシキシ笑うために練られたような脚本でかなり厳しい。しかしキャラデザ力は高いので、サービスシーンはしっかりと機能している。

『えびてん 公立海老栖川高校天悶部』4巻

かなり際どいサービスシーンも多く、「少年誌から青年誌に移籍させる気か!」的な寒いギャグはいただけないがありがたみはある。

一転して後半はシリアス展開へと急転し、天悶部部員と財閥との確執、そして入部の真意が明かされそうになるところで4巻が終わり続刊してないのでどうしようもない。続刊してもここから面白くなるとは思えないので狗神煌の大ファンで彼女の作品は全て抑えておかなければ気が気でないオタクでない限りは買うことはないだろう。


③Another

キャラクターの画力が高すぎる。アニメ視聴済み。原作未読。

  • 作者:綾辻行人、清原紘

  • 巻数:全4巻

  • 個人的な点数:74点

正直アニメより良かった。原作は小説だけど読んでない。

田舎の中学に越してきた恒一は3年3組のクラスメイトの鳴がまるでクラスからいない子のように扱われていることを不審に思う。鳴と関わることを辞めるように諭された恒一は学校ぐるみでなにかを隠していることに気づく。そんな中で、3年3組にまつわる人物が次々と事故死していくといった感じのホラーミステリー漫画。

とにかく絵が上手く、絵目(えもく)で読むことができる。鳴ちゃんもくっそ可愛い。

『Another』1巻
『Another』2巻

伏線の散りばめ方が秀逸で、アニメでどうしても払拭できなかった“アニメキャラ感”を漫画ではほとんど感じない。絵柄とホラーの雰囲気が抜群に合っている。

アニメ(原作?)との相違点も結構あるが、それ故に面白く無くなっているということはない。逆にパニックホラー感が薄れて、より正当なミステリーものへと昇華されている。

だからこそ随所に挿入されるギャグによるアイスブレイクが本当に不要。一箇所も要らない。ずっと最初から最後までシリアスで良い。

クオリティは高いのでアニメや原作見て『Another』良いじゃんって思った人は漫画版も買った方がいいと思う。映画見ていいじゃんって思ったやつは顔洗え。


④KISS MY ASS

痔をテーマにした青春ラブコメ。俺も痔主だから歌詞に共感した。

  • 作者:大見武士

  • 巻数:全2巻

  • 個人的な点数:70点

イボ痔に悩む男子高校生「薬師寺」のイボ痔完治と肛門科の医師を目指すクラスメイトの少女「三浦」とのラブストーリーを描いた恋愛漫画。
痔にまつわる雑学や医療方法が散りばめられた教育漫画でありながら、しっかりと薬師寺と三浦がラブコメしてて脚本のクオリティが高かった。こういう漫画だといやに説明的になって教科書にちょっとした恋愛要素が付け合わせのように添えられているものが多いが、その点本作は三浦に友達がいないという設定が、クラスメイトに隠したい痔の秘密を薬師寺と共有することで友人(果ては恋人)になる理由づけがなされていて説得力があった。

しっかりと薬師寺は別の女の子が好きで三角関係もあるし、水着回もあるし、2人のその後を描いた4コマもあるしとラブコメの流儀を踏襲していて読める作品に仕上がっていた。優しくハイテンションな主人公と冷静沈着だけど恥ずかしがり屋なヒロインがいい感じのコンビになっていて嫌悪感や疲れなく読めた。全2巻という長さもちょうどいい。

ややイカれてるけど三浦さんはしっかり可愛い。負けヒロインもヒロインレースの諦めが早くて潔く、だれなかった。

“尻穴の天使に 見えたから…”ってセリフが好き。

『KISS MY ASS』2巻

ていうか俺も切れ痔だから普通に勉強になったわ。最近は良くなってきてるけど、父親は手術で入院してたし気をつけようと思いましたまる(でも三浦さんみたいなアナルの天使が介抱してくれるなら…もれ……)


⑤パプリカ〜The dream-child〜

めっちゃちゃんと漫画。原作未読アニメ視聴済み。

  • 作者:筒井康隆、坂井恵理

  • 巻数:全1巻

  • 個人的な点数:64点

映画『パプリカ』の続編を「ローゼンメイデン」の作者が描いたみたいな漫画。

DCミニが盗み出された事件から1ヶ月後、敦子の中からパプリカは存在を消したにも関わらず、世間では夢に現れ悪人を懲らしめる違った形のパプリカが登場していた。敦子は第二のパプリカによる私刑を止めるため捜査にあたる。って感じ。

平沢進スキーからの今敏スキーなので『パプリカ』も当然好き(っちゃ好き)なんだけどまさか漫画があるとは知らずそしてこんな正統派な漫画だとは驚いた。
めちゃくちゃ普通に漫画。そりゃそうなんだけど映画のアートアニメ感は全然なくて真っ当に映画『パプリカ』の続編。逆に映画のキャラクターたちがデザインそのままに普通に会話して動いていることに違和感すら感じる。なんというか“パレード感”がない。パプリカなのに読んでて頭の中に魑魅魍魎の行列とパレードが流れない。

『パプリカ〜The dream-child〜』

映画の雰囲気好きで本作を手に取るとガッカリしてしまうかもしれない。
でも映画はわかりにくすぎるし、映画のキャラデザでわかりやすいシナリオが紡がれているというのは新鮮なのでこれはこれでいい気もする。『パプリカ』はもはやなにが正しくてなにが悪いのかわからん。

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