心身からの抱負

抱負や目標。大学に入った途端、そういったものを考える気力がなくなった。実家でさまざまなことを制限され、一挙手一投足を監視される生活から抜け出せた反動で、二十歳前に燃え尽きたのである。
高校を卒業するまで親族の経営する塾に通わされ、物理的にも精神的にもいろいろな目に遭ってきた。その一方で「今頑張れば大人になって楽にやっていける」と事あるごとに吹き込まれた。いろいろな目に遭う中でそれはとても甘言に聞こえた。期間限定ならば耐えよう。そうすればこの制限づくしからきっと解放される。そうしたら何も考えず楽に生きていける時代が来るんだろう。他の生徒がいる前で親である塾経営者に怒られたり叩かれたりしている親族の子たちを何の感情もなく見ながらそんなことを漠然と思っていた。

仕事をするようになって、とある年の瀬に後輩が何かの集まりで「私の来年の目標は…」とか希望に満ちた表情を隠すこともなく言い出して、冗談抜きで背筋がぞくぞくした。なんで目標とか立ててるのこの人。大人なんだし、これからもう楽にやっていくだけなんだから目標とかいらないじゃんと本気で不思議に思っていた。その後私が勤めていた事業所は閉鎖になってしまったが、後輩は部署を異動してそこそこ出世し、私の記憶が確かならば今もあの会社で仕事を続けているはずだ。それこそ目標を立てて叶えての繰り返しだったのだろう。
「今頑張れば大人になって楽にやっていける」はあの世代の田舎住まいの大人の常識だったのかもしれないが、数十年後家を出てそこより広い世界で暮らすようになった人間にとっては非常識だったと心の底から理解したのはもっと後になってからだ。

今年は約20年分の損切りを認める・余計なことを考えない・必要なことを考える の三本です。

今のところ思いついているもう少し細かい項目だけ書いておく。
・あなたのおうちはどこですか。物が片付かないのは、物の住所を決めていなかったりあるべき住まいに戻していなかったりするからに他ならない。一つでもいいからその辺の物たちへの声掛けを欠かさずやる。
・仮説を立てて人体実験する。あまりにも自分の体に対して適当過ぎる暮らしをしてきていたので、今年は心身のコントロールをやってみたい。


#note書き初め

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