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コーピングリスト3. アクセサリーをつける

最近アクセサリーをつけるようになって人の見る目が変わった気がする。

この元鈴木さんの投稿を拝見し、大層腑に落ちたのがきっかけである。確かに以前、アクセサリーもつけずほぼすっぴんで地味なゆったりモノトーンワンピースを着て髪も適当にまとめてショッピングモールに行ったら、通りすがりの幼女姉妹に「ママ、かわいいおばあちゃんがいる!」と指を差されたことがある。一瞬のことで私も返事に困ったし、ママももっと困っているように見えた。車いすというのはあまり見たことがないからよく知らないけどきっとお年寄りが使うものなんだろう、それに小柄で地味な格好の女が座っていたことで『おばあちゃん』と認識されたのだろうと推測する。「かわいい」と形容されてもこればかりは全く嬉しくなかったし、その日は昼も夜もやけ食いした。
※よく知らない事柄に対してもたれる第一印象は子どもも大人も大差ないという経験則により、『子どもの言うことだから』という擁護はこの際受け付けないものとする

元鈴木さんは仕事でナメられないための宝石であることを記されていたが、私の用途は通勤でナメられないためのアクセサリーである。電車に乗っているときや駅を移動しているときなど、ただそこにいるだけなのに好奇の目とあら探しの目で眺め回されることが少なくとも週に一度はあるためだ(主にお年寄り、主に男性)。スポーツ紙越しに上から目線で見られているのを感じるとともに、『こいつがもたついたり粗相があったりしたら絶対に舌打ちするか鼻で笑ってやろう』という意思も感じる。
もちろんそのような人は通勤時に遭遇する人間のうちの一割未満なのだが、一割未満のために心身の平安が乱される可能性だってあるし、どんなに気にしないようにしてもそれを後々まで引きずる可能性だってある。それならば、精神論で我慢したり気にしないようにしたりするよりは『失礼をさせないようにする』という手段を取ることを選んだ。

通勤時のデフォルトは、いろんな石がばらばらについたタイプの大振りなネックレス、金属製バンドの腕時計、指輪重ねづけ、大振りなワイヤレスイヤホンである。また、弱々しい顔に見られないよう、どんなに朝時間がなくても眉を描いてアイシャドウを塗りたくる。これをやるようになってから、上から目線を向けられたときにその方向を見返すと相手が目をそらすようになった。以前は勝率4割くらいだったというか、怖じ気づいて見返すこともしなかったので、かなりの進歩だと思っている。

これから気温が下がるにつれて上着を着ることが増えてくる。まずは紺のフードつきブルゾンで夕張の月島さん風、その後はベージュのトレンチコートに肩掛け鞄斜め掛けで樺太先遣隊鯉ちゃん風、さらに寒くなったらオフホワイトのフードつきショートコートにマフラーほっかむりで流氷の上の月島さん風の心のコスを決めることによって、失礼をさせないことに加えて自分の心が満たされる装いで生きていきたい。



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