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映画から与えられる課題

またまた、深く考えさせられる映画を観てしまった。

昨年原作を読んだ「ある男」。

自分を冠した名前でなく、「自分を生きる」ことが重要であるとの思いとは裏腹に、その名前によって、自分であることが証明され、それに囚われて生きていかなくてはいけない。

戸籍交換しようと、他人の名前で生きていこうと、自分自身の本質は変わらない。
過去は変えられないが、未来は変えられるという希望はあるが…。

でも、本名で生きてきた自分、別の名前で生きていく自分、そこに乖離はないのだろうか。

この映画がいくつかの社会問題も内包している。偶然にも、ごく最近起こったことが、頭に浮かぶ。
「原作と映像化」の問題や長期逃亡犯の「最期は本名で」という言葉。

ルネ・マグリットの絵も印象的。映画同様、絵画が与える課題も避けられない。

思いついたことをつらつらと落としているだけで、まとまらない感想で、申し訳ない。頭の中が整理できず、整理できたとしても、それを表現できる能力が私にはない。理路整然と映画評論、絵画評論できる人が羨ましい。

それにしても、フランスでは多く公開されない日本映画であるけれど、フランス人には、このように社会問題を提起する類いの映画が好まれるようだ。

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