(555字) #たいらとショートショート
「先にお飲み物お伺いしましょうか?」と言う機械声に、ほんの5年前まででは考えられないやり取りだよなぁ…と、タブレットの画面をスライドさせて550円均一のドリンクのページを眺めながら思った。
「じゃあ今日は、ヴーヴクリコのグラスを注文っと。」
意味は無い。ペリエでもりんごジュースでもビールでも同じ550円だ。
自分は案外このサービスが気に入っている。
タブレット画面にバーカウンターの背景が映し出される。
そしてシャンパンボトルとシャンパングラスが現れて、ボトルからポンと小気味よく音を立ててコルクが抜けると音と共に細かな泡の立つ琥珀色の液体を渋めな白髪の男性アバターが注いでくれる。
[550円送料として]
話していくかい?とマイクのアイコンが出るが数回画面をタップしてスキップする。今日はAIと会話する気分じゃない。
5年前に始まったアニメーションサービスだ。
ワンドリンク制にすることで送料に付加価値を付けたり楽しい体験をしてもらうことが狙いらしく、実際暇な時は商品の紹介や世間話を幅広い年齢層が利用しているらしく見事にデータ化されていてオススメされた物を買ってしまう事が多々ある。
バーチャルバーカウンターから出るとAmazonのトップページにくる仕様になっている。
本日プライムデー ご注文はいかがなさいますか?
初めて参加させていただきます。
はじめと終わりが決まっているストーリーを考えるの面白いですね。
お時間ありましたら
コメントでアドバイスください。
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