そんなある日、半分旅人のような生き方をしている 友人、リシューが魔女のいる山に遊びに行くと 知らせが来ました。 リシューは、魔女が10年前に恋した男性でした。 その時の恋は実りませんでしたが、 友人としていい関係が続いていました。 魔王も、リシューを知っていました。 魔王が王国を作る前、 少しの期間リシューと同じ場所に いた時期がありました。 その時は魔女はそこにはいませんでした。 魔王にはなんでもお見通しなのです。 未来も過去も読み取ることができるのです。 魔女が彼
魔王の王国を出た魔女。 もう、あの埒が開かない男のことは 考えずに、すっきりと生きていこうと決めました。 しかし、実際には、毎日魔王のことを 考えてしまうのでした。 魔王の王国から出て 冷静になって状況を考えると 魔女はいろんなことがわかってきました。 まだまだパズルのピースはバラバラですが 少しずつ、ピースの島が出来上がっていきます。 魔女はもともと1人で生きていて その生き方に魅力を感じる人間たちが 魔女の元にごく自然に集まり、小さいけど 独特で面白いコミュニティが
人魚姫は若い王子に恋をし、王子と同じ魂を持ちたいと思い 海の底に住む魔女にお願いをしました。 魔女は人魚姫の愚かな考えを心の中で嘆きましたが その本心は伝えず、人魚姫に人間と同じ脚を与える代わりに 王子の愛を勝ち取り王子と同じ魂を得ないと 人魚姫の肉体は泡粒となって消えてしまうというルールを 伝えました。 人魚姫は全ての条件を受け入れ、王子のいる場所へ 向かいました。その日は大嵐でした。翌朝嵐がおさまり 海岸に出て様子を見に来た王子は人魚姫を見つけました。 可愛らしい少女が
魔王の強大な魔術にかかってしまい 今度こそ心が魔王に奪われた魔女は 眠れない夜が続き、体調もおかしくなりました。 頭の中は魔王のことでいっぱいでした。 魔王に出会ってからは1年が経っていました。 魔女は、1年間も魔王の魔術にかかっていたのでした。 (かかるたびにそれを解除していたのですが) 苦しみながら、魔女は深く考えました。 なぜこのような苦しい状態が続いてる? そもそも、尊敬する魔王の魔術を学び もっと軽々と地球を生きたいと思っていた。 なのに、現実は、魔王に依存的
魔王は、これまで多くの旅人やアーティストや ヒーラーたちが魔王の手に落ち恋をした方法が この魔女には全く通用しないと気がつき とても焦りました。 魔王は、時間を支配したいのです。 時間を支配されたりタイミングを決められることが 何より嫌いです。 いや、嫌いというより、恐怖なのです。 時間に縛られることは 魔王にとって何よりの恐怖であり屈辱でした。 魔王は、魔女の攻略が計画通りにいかないことで 魔女に自分の時間を支配されているような 錯覚に陥りました。 もちろん、魔女はそんな
そんなある日、魔王は革新的で恐れを知らぬ 広い世界観を持つ魔女に出会いました。 この魔女もまた、魔王の魔術に興味を持ち その魔術を知りたいと魔王に会いに来たのでした。 魔王は、魔女のエネルギーを感じ、 今まで出会ったことがないタイプの女性だと思いました。 そして、魔女の持つ広大なビジョンに触れ 今までの自分がとても退屈していたこと この王国が成し遂げたものは古い考えに基づくのだということ 魔女の持つ考えはこれからの新しい時代に 必要なエッセンスであることに気がつきました。
魔界の王は、自分1人ではどうにもできない寂しさを 抱えて生きていました。 この寂しさをどう払拭しようかと長年考えていました。 彼は、寂しさという感情を消化することを 魔術を使って実現する方法を発明しました。 魔術を使って、感じたくない感情を、 宇宙の遙かなたの渦の中に吸い込ませるのです。 すると、心がスッと軽くなるのです。 彼は、この方法を1人でも多くの国民に 浸透させたいと思いました。 これは、人を救う方法だと思いました。 1人でも多くの人が希望を持つことができると 思い