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♯23 対話とICT

 23回目の投稿となりました、天治郎です。本稿の要旨は、以下の通りです。
対話×ICTを日常的に行っていくためには、各種アプリ等の使い方に慣れる機会を設定する必要があります。トライ&エラーの精神で子どもと共に活用していけば、子どもたちは我々教員の想像を超えた素晴らしい使い方をしていきます。

 以前「対話」について学び直そうと思い、以下の3つの本を読みました。

  • 白水始(2020).対話力.東洋館出版社.

  • 川端裕介(2022).川端裕介の中学校社会科授業 協働的な学びにつなげる対話スキル50.明治図書.

  • 筑波大学附属小学校算数研究部(2022).算数授業研究No.142 協働的な学びを支える聞く力.東洋館出版社.

 川端(2022)は、「ICTは対話の可能性を大きく広げます。」と述べた上で、特に以下の3つの効果を挙げています。

・時間の制約を緩める…タイミングを合わせなくても対話できる
・空間の制約を緩める…教室の内外で対話できる
・表現の手段を広げる…文字を含めた多様な手段で対話できる

川端裕介(2022).川端裕介の中学校社会科授業 協働的な学びにつなげる対話スキル50.明治図書.

 1つ目で例を挙げれば、Microsoft Teamsをプラットフォームにしておけば、授業中のいつでもだったり、お家に帰ってからだったり、自らの学びを深めるためにいつでも対話ができます。
 2つ目で例を挙げれば、昨年度私が他校の同学年と行ったコラボ授業のように、他校の子どもたちと対話することで学びを深めることができます。
 3つ目で例を挙げれば、面と向かって言葉で対話をすることが苦手な子どもでも、書き込んだり反応をしたりすることで対話に参加することができるようになります。これは川端先生も例に挙げています。
 ICTの利活用によって対話の広がりや深まりを感じたことがある先生方も、多くなってきたのではないでしょうか?

 さらに、ICTを活用した対話の注意点として、

・ICTを対話の手段として生徒が選択できるようにすること
・話すことと書くことでは、コミュニケーションの質が変わる点
・使用するアプリや使用するタイミングについて、対話に参加するメンバーで相談して決めること

川端裕介(2022).川端裕介の中学校社会科授業 協働的な学びにつなげる対話スキル50.明治図書.

の3つを挙げるとともに、

慣れてくると、グループで複数のアプリを使いながら口頭でやりとりをするようになります。はた、発言や書き込みの総量は、アナログな対話に比べて増大します。その量の増加が、対話の質を高めます。

川端裕介(2022).川端裕介の中学校社会科授業 協働的な学びにつなげる対話スキル50.明治図書.

と述べています。
 私なりに解釈したことは、「子どもによる選択」と「心理的安全性の確保」です。「デジタルとアナログの両輪」という視点で考えれば、子ども自身の能力や特性等に応じて、臨機応変に「アナログでの対話」か「デジタルでの対話」を選べるようになってほしいと思っています。また、心理的安全性が確保されていないと、「デジタルでの対話」も「アナログでの対話」も表面的なもので終わってしまいます。

 一方で、対話×ICTを日常的に行っていくためには、手段の目的化とよく揶揄されますが、各種アプリ等の使い方に慣れる機会を設定する必要があります。トライ&エラーの精神で子どもと共に活用していけば、子どもたちは我々教員の想像を超えた素晴らしい使い方をしていきます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。御意見等お待ちしております。

【引用・参考文献】
川端裕介(2022).川端裕介の中学校社会科授業 協働的な学びにつなげる対話スキル50.明治図書.

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