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【30代の体験記】出向経験を武器に #1

こんにちは、てんじです。

唐突ですが、「出向」という言葉にどんなイメージを持ちますか?

すこし考えてみてください。

きっかけ

新型コロナウイルス感染症の影響により、事業の一時的な縮小などをおこなう企業が、人手不足などの企業との間で「在籍型出向」を活用して従業員の雇用維持を図る取組みがみられています。
この取組みは「社員シェア」「従業員シェア」「雇用シェア」とも呼ばれています。
少し前までは、某銀行ドラマで「出向」と言えば左遷や島流しといったネガティブなイメージがある言葉でした。
現代においては各人が勤める企業の背景や各人への意識付け、モチベーション、捉え方次第ではありますが、異業種の経験ができるうえに雇用が維持されるといったポジティブに捉える出向と、事業の縮小で致し方なくといった悲壮感漂うイメージの出向に2極化されてきていると感じています。

なぜネガティブなイメージや悲壮感漂うイメージが「出向」にあるのでしょうか?それは「出向」という言葉は世の中に認知されているものの、実際に「出向」を経験された方の情報・体験記が多くはないからだと勝手ながらに結論付けました。
特に20代・30代の出向経験を記した情報はセンシティブなのか少なく、「転職 体験」でググると各年齢層の体験談がずらずらと表示されるに対し、「出向 体験」でググると出向制度についての情報がピックアップされるものの体験談としては数件ヒットするかしないかといった事実がありました。

この事実から「出向」は検索しても情報が少ないため不安視される言葉となり、ネガティブ且つ悲壮感漂うイメージの定着がされてしまったのではないかと推測します。

以前の記事でも私の考え・経験の一部を記載していますが、出向によりキャリアアップ、人と人とのつながりを得た私にとっては、そのようなマイナス要素のイメージを払拭したく、この記事を読んで賛同いただけた方はぜひ出向体験談の投稿をしていただき、少しでも出向のイメージアップにご協力ください。
投稿時にハッシュタグ「#出向経験を武器に」をつけていただけると嬉しいです。

以前投稿した「出向はプレ転職」はこちらから参照ください。
https://note.com/amaj/n/n5e05a0c69514

※私個人の主観であるため、万人に共通した考え・価値観ではありませんが、私自身の出向経験を体験記として綴ることで「出向」について考える機会や「出向」の辞令が言い渡された際の不安や悩みを和らげる材料としていただければ幸いです。

はじめに

体験記としていますが、小説風の描写を取り入れています。
また登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。業務内容は出向先や出向元と交わした秘密保持義務があるため、限られた範囲で記していきますが、あとで修正や削除する可能性があることはご理解ください。

■辞令

※時代背景は新型コロナウイルスの感染拡大前です

穏やかな日々を過ごしていたある日、突然部長から肩を叩かれた。

井出部長:「てんじさん、今いい?」

てんじ:「はい!(なんだ?評価の時期ではないし、イベントの幹事依頼かな?)」

祭事が好きな私にとっては、断ることもなく二つ返事で済むのに、わざわざ会議室を用意しているなんて、どんなイベントなんだ?とこの後起きる展開を露知らず、足取りも軽やかに会議室に向かった。

会議室に入り雑談を交えた後、部長がまじめな顔つきになった。

井出部長:「出向の話があり、てんじさんを推薦した。」

てんじ:「・・・え?(出向って何?)」

井出部長:「note株式会社で部署は経営企画部。視野を拡げるにはうってつけの部門だ。」

てんじ:「note株式会社?経営企画部?」

言われたことの反復しかできない残念な頭の持ち主である。
てんじが所属する会社は中堅IT企業であり、良く言えば古くからの伝統を重んじる企業である。そのような企業にいるなか、30歳のてんじに唐突な辞令が言い渡された。

心構えと確認しておくこと

point1.出向の辞令は急に言われるもの
point2.テンパるため深呼吸
point3.出向の理由や意識付けなどの説明がなければ確認
point4.自分の会社の就業規則を確認する(出向について記載があるはず)

ちなみに私自身は視野を拡げるためというのと、出向先企業のキーパーソンが辞められたための人員補充(穴埋め)が出向理由でした。。
就業規則には出向期間が明記されている可能性があり、私の場合は、「原則3年間を出向期間とする」とあった。

■出向初日

てんじは事前に指定されていた場所に立っていた。
カバンには会社のPCとWiFiルータ、ペン、ノート、名刺のみ。

てんじ:「・・・(約束の時間なのに来ないなぁ。場所間違えたかな?)」

周辺を見回していると、エレベーターから降りてきた人に声を掛けられた。

向井:「てんじさん?はじめまして!note株式会社の向井です。」

てんじ:「はじめまして!てんじです。本日からよろしくお願いします。」

向井:「それじゃ、早速行きましょう!ちょうど朝礼をやっているから、一言挨拶と自己紹介をお願いしますね。」

てんじ:「あ・・・はい、わかりました。(自己紹介ね。出向元企業名と何の部署で何をやっていたか、趣味や特技、意気込みを言えばいいかな)」

向井とともにエレベーターに乗り込みながら、自己紹介の内容を考えた。
ちなみに向井は同じ経営企画部で事前の調整をした関係である。

向井:「さぁ、着きました。朝礼中ですが最後の連絡事項でてんじさんを紹介するので前の方に来てくださいね。」

と言った後に向井は自席へ歩いていった。

てんじ:「・・・(朝礼ってフロア全体かよ)」

ざっと見ても50名以上はいるフロアである。

てんじ:「・・・(ヤバイ、緊張してきた!)」

向井が朝礼が終わるタイミングで紹介したい人がいるため、少し時間をほしいと調整している。
調整が終わるとすぐに呼ばれた。

向井:「本日より、一緒に働くことになったてんじさんです。てんじさん一言お願いします。」

と、言われ、緊張した面持ちで視線が集まる前方中央に向かった。

初日のポイント

point1.挨拶はしっかりとする
point2.自己紹介で話すことを事前に準備しておく
point3.自己紹介の話し方・内容である程度のイメージがしばらく定着する

私の場合、当たり障りない自己紹介となったが、これはこれで印象に残らず、どこか頼りない人というイメージが定着していた・・・

■出向社員の在り方

出向社員の給料は、出向先企業が出向者本人へ給与を支給しますが、出向先企業から出向元企業へ給料相当の金額を支払います。
したがって、出向先企業のコーポレート部門の一部の担当の方は私の給料がどのくらいなのかを把握していることになります。
会社が違えば給料が異なりますが、異業種の未経験職種に「即戦力」とならない人が入ってきて、且つ給料が自分たちより上だとしたら、どう思うでしょうか?
当然、逆の場合(出向先企業の方が給料が高く、出向元企業が低い)もありますが、お金をもらえて未経験職種の勉強(仕事)ができると思えばそのくらい気になることはないと思います。もちろん人によってはモチベーションに影響するという方もいるかもしれません。仕事への取組み姿勢や価値観は人それぞれ異なるため、何とも表現し難いところです。

在り方と見え方

point1.給料の金額を知っている人がいることを意識する
point2.対価と報酬を意識した行動をする

■つづき

今回、出向経験を武器にということで体験記を綴らせていただきました。
この体験記が少しでも誰かのお役に立てばと思い、出向時を振返りました。
この出向経験があったからこそ、今の私があり、出向元に戻ってからも学び得た考え方は私の財産になっています。

書き出しの冒頭だけでもかなり時間を要してしまいましたが、続編としてまた体験記を書き足していけたらと思っています。

拙い文章ではありますが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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