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言うor言わない→どう言うか?

「思ったことをすぐに言えたら楽なのに
そう思いつつ、
「言わないことで傷つけずに済んでいる
という側面もあると気づき、すぐに言えない自分もまあいいかと思えた話。


私は『ミステリと言う勿れ』が大好きで、今日は先日発売された14巻を読んでいました。

今もっとも関心があるのが〈家族・親子関係〉だからか、ほんの少しだけ出てきた「乙部」という刑事の家族でのやりとりがとても印象に残りました。

父、母、娘2人の計4人で食卓を囲み、夕食を食べているシーン。

「ごちそうさま」と席を立った娘に声をかけては「うるさい」と言われ、もう一人の娘に話しかけては「うざ」と言われ。

「地雷原か、ここは」と嘆くと、奥さんには「あなたにデリカシーがないからじゃん」と言われる始末。

こういう切り取り方をするとお父さんがかわいそうに映るかもしれませんが、こういう反応をされても仕方ないくらい、デリカシーがない発言をしています。


娘に「うるさい」「うざい」とあしらわれるお父さん、という構図はよく描かれるため、あるあるなのだと思います。

でも私は、父に対してその場で「うるさい」「うざい」と言うことができません

ドラマでも、反射的に言い返すシーンを見るたび「こんなふうに言えたらいいのに」と思っていました。


言えないのは、「うざい」などと人に言ってはいけないと思って育ってきたから。

ましてや育ててくれた父親に対して、どうしてそんな言い方ができるんだろう?と、少し前までは本気で思っていました。

そもそも「うざい」などという感情を感じることすらいけないと思っていたから、出てこないように蓋をしていたのだと思います。


「こんなふうに言えたらいいのに」と思うのは、父に対して怒りやイライラが湧いてきても、なんて言えばいいのかも、それを言っていいのかもわからず、なにも伝えられないまま自分の中に残るのが嫌だから。

父からしたら、「元気ないな」とか「ちょっと機嫌が悪そうだな」くらいにしか見えていないと思います。

これじゃなにも伝わらない。
思っているだけじゃ、なにも変わらない。

それがすごくもどかしいし、どうにもできない自分が悔しいんです。


あなたにデリカシーがないからじゃん
というセリフには、続きがあります。

「オレにそんなもの求められてもな!」
と言い返すと、
なんで自分だけデリカシーがなくても許されると思うんだか
と奥さんは言い放ちます。

言われた本人はハッとし、セミナーに行くことにしました。


なにも伝えなければ、本人はなにが問題なのか気づかず、現状はなにも変わらない。

時には正面から伝えることが、結果的にお互いのためにもなるのかもなぁ…

今の私は、父に対してあれこれイラつきながらも、なにが不快なのかを伝えられていない。

もっとスパッと言えたらいいのに、と思わずにはいられません。


ただ一方で、「うるさい」「うざい」と冷たく放たれると、多少なりとも傷つくものだと思います。

漫画の中のお父さんも、私の父も、娘をイラつかせたいわけではないのに結果としてイラつかせてしまっている構図です。

悪気はないのに「うざい」と言われるのは、シンプルに悲しいよなぁと思います。


それに言う方も、言葉が持つ暗いエネルギーの影響を受けるような気がします。

私がそういった言葉を使えないのは、どこかで「使わない方がいい」と感じているからかもしれません。


言えずに溜め込むのも癪だけれど、わざわざ父を傷つけたいわけでもない。

言う or 言わない

の二択ではなく、どう言うか?を考えてみたいと思うようになりました。

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『深い雑談』というものをやっています!

私がnoteで書いているような話は、そもそも人に話しにくかったり、話したところでわかってもらえなかったり…
 
家族すら、もしかしたら家族だからこそ、私が感じている苦しさやもどかしさを話しても伝わっている気がしない。それがすごく切なくて。
 
ずっと、私の感覚をわかってくれる相手を探していました。
 
わかってほしい、理解してほしい。同意はしなくていいから、「ゆめはそう思うんだね」って、ただ私の考えを尊重してほしい。私の感覚が伝わる相手がほしい。

学生という枠がなくなって、世界がちょっとだけ広くなったことで、感覚が伝わる人と出会えるようになりました。

もちろん、完全に同じ人なんていない。でも、自分にない感覚の話を、「そういう感覚もあるんだ」とわかろうとしてくれる人がいる。そのことに、私はすごく救われました。

自分の感覚は間違いじゃないんだ、自分は自分の感覚を信じていいんだって、思えるようになりました。
 
私も、誰かにとってそんな存在になれたら。

私が日々考えていることを言葉にすることで、似たように日々考えている人が「この人となら話せるかも」と感じるかもしれない。そして実際に話してみて、自分の感覚を誇らしく思えたら。
 
なんかもう、すごく嬉しいなって思うんです。
 
なかなか自分の感覚が伝わらない、でも誰かにわかってほしい。そんな気持ちを抱えていたら、ぜひ一度お話ししませんか?

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