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サンタクロースとは何なのか、真面目に考えてみた

親としてのサンタ任務を
遂行するようになって3年目。

長男3歳、

今年からサンタクロースを
めちゃくちゃ信じる年頃へと成長した。


私自身、クリスマスの思い出はたくさんあり
小さい頃はサンタクロースを信じて色々やった。


小学生だったある年、
友達がクリスマスイブの夜に
サンタさんへショートケーキと
紅茶を用意して就寝した。
翌朝、筆記体で"thank you"と
書かれた手紙が置いてあり、
ケーキと紅茶はきれいに食されていた。

という話を聞いたことがあった。
あのときの友達の自慢気な顔と、
やけに「筆記体」が強調された話し方は
今もしっかりと覚えている。

えらくその話に感動した私は
翌年友達と同じことを実践した。


いちごのショートケーキと紅茶を
テーブルにセットして、
「サンタさんへ、ぜひ食べてください」
の手紙を添えた。

朝になって、プレゼントがなにかよりも
食べてくれたかどうかが気になって
真っ先にテーブルへ向かった。

しかしケーキは一口もかじられた跡もなく
紅茶も冷たいまま置かれていた。

サンタさんはいる!
だから絶対食べてくれる!

と強く信じていた当時の私は、
その光景にかなり大きなショックを
受けたのを覚えている。


私と弟には毎年プレゼントと一緒に
手紙も届いていた。
他にもクリスマスのシールや
小さな絵本などもついていた。

母の計らいでどこかのサービスを利用してたのだろう。

ある年、
クリスマスのことなんて微塵も考えない夏休みに
急にハガキが届いたこともあり、
「サンタさんは本当にいつも見てくれてるんだ」
と、私はその丁寧さに感動した。
同時に存在を確信できた。

毎年手紙まで送ってくれる、
あんなに優しいおじいさんが、
まさかケーキを食べてくれないなんて
あり得なかった。

幼心に裏切りとも思えた。



そこから次第に
そんな優しいおじいさんはいなくて
やっぱり親なのか?
と初めて疑うようになり、
いつしか真相を知るようになった。


大人になって、母に
「あの時、なんでケーキ食べてくれんかったん?」
と、聞いてみたことがある。

母は、
「本当のサンタじゃないからね。」 

との一言だった。

こども心を考えるとそこは普通食べるでしょ!

と、母の回答に対してずっとそう思ってきた。

同じ親の立場になって、
親だから子どもが一生懸命用意したものに
手を出すことができなかったのかもしれない。
とも考えられるようになった。



私が人生で初めて熱心に信じ切っていたもの、
確信できたもの、
それがサンタクロースの存在だったかもしれない。

あれほど純粋になにかを信じることは
もう出来ない。

それが大人になる、ということなのか。

だからサンタクロースの真相を知ったときは
さみしかった。


今年のクリスマスイブ、
長男はサンタさんが来たのかどうか気になって
夜中に何度もムクッと起き上がっていた。

そんな息子を見て、
純粋な心で信じて眠りにつくこどもたちが
世界中にいる、
そして私たち親がその喜ぶ顔を想像して
サンタになる。

クリスマスイブは一年で一度の
とても素敵な一夜だと思った。



よく

"サンタさんは君たちの心の中にいる"

とかなんとか、ベタな台詞があるけれど、
私たち親の中にある子どもに対する愛情そのもの
それがサンタクロースなのかもしれない、
と思った。

サンタクロースはいるのか?
という幼い頃からの疑問。

その答えが大人になって、親になって
今やっとわかった気がする。

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