仄かな恋心

一目惚れ。
映画や小説でよくある、一目惚れ。
「一目惚れはするタイプですか?」と聞かれて
「しないですね。」なんて澄ましていた是迄。

しました。一目惚れ。
これは多分、一目惚れ。でもまだ一目惚れかは曖昧で。

まだわからない自分の気持ち。
なんだか気になる存在。
どこか緊張してしまう存在。
どこにいるかが気になってしまう存在。
誰とおしゃべりしているか気になる存在。
純粋にかっこいいと思える存在。
それが、彼。

ひとめ見た時、「ふーん。」と思った。
ひとめ見た時、意識した。

実際に中身を知っていくと、あまりかっこいい人ではなかった。
シャイで、自分にあまり自信がない。
「なんだ。ただのかっこつけか。」と思って特に惹かれなかった。

それでもなぜか気になった。表情が気になった。

なぜか私は恋愛において、プライドが高い傾向にある。
「舐められたくない。」「自分からガツガツ行っているように思われたくない。」「弱い人だと思われたくない。」

私の元彼は、頼りなかった。
弱かった。
安心感はなかった。
見た目ばかり気にして、終いにはダサいと感じた。

彼は、そんな元彼と少し重なる部分があるように思えた。
それでも何だか惹かれる。
なぜだろう。
私はかっこいい人に弱い。どうしても意識してしまう。

彼は私のことをどう思っているのだろう。
もう少し仲を深めたい。
彼を知りたい。彼に好意を持たれたい。
私の正直な思いはそんなところ。

プライドが邪魔してうまく想うことができないけれど、どうやら私は彼が気になってしまう。

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