邯鄲の夢
眠りについたわたしは夢を見る。
きみとの日々、甘い記憶、遠い日のこと
しがないわたしの一生の夢だった
出会いは一年前
知らない地を一人歩くわたしを
守るように話しかけてくれたのがきっかけ。
知らないはずなのにまるですべて知っているような
そんな感覚に襲われた。
そこからわたしたちは互いを求めあうようになった。
遠い日の約束もしたね。
確かにあの時はふたり、同じ気持ちのはずだったのに
きみはどこか過去を見てる気がした。
未来しか見えなかったわたしは
離したらふらっと過去に飲み込まれて居なくなってしまいそうなきみの手を離さないようにすることでいっぱいだった。
目を覚ました場所には望んだ未来はなかった。
またひとり眠る ベッドは冷たくなっていた。