「変化の時代」を乗り越えて@CAS凍結センター
こんにちは。
海士町ふるさと納税担当の遠藤です!
いつも海士町を応援して下さり、本当にありがとうございます。
今回は、離島であるが故のハンディを克服し、海士町の成長発展に著しい貢献をしてきた「株式会社ふるさと海士」のCAS凍結センターを再訪し、“withコロナ”の時代にどういう変化があったのかを根掘り葉掘り質問させていただきました!
海士町が離島としてのハンディを克服するために【島民インタビュー】|海士町ふるさと納税担当|note
1.業務用から個人用になったのが一番の変化
コロナウイルスが蔓延し始めてから2年以上が経過し、経済を重視する流れが見えつつあるようでいて、
例えば “補助” が減らされたうえ飲食店が苦境に陥るなど、今もなお、世の中が「コロナ以前の状態」に戻ったとは到底言えないでしょう。
そんな重苦しい空気感は、㈱ふるさと海士にも少なからぬ影響を与えています。居酒屋でいうと、現在約250店舗へ出荷していますが、その数自体が徐々に減っているだけでなく、そもそも注文の頻度が以前より少なくなってきているとのことです。
一度離れた顧客が戻ってこないというのは、コロナ禍に関わらず起こり得ることですが、、、
ただ、ここで終わらないのがCAS凍結センター(ふるさと海士)の凄いところ!
主要な産品である、いわがき、白いか、シマメ(スルメイカ)すべての受注が減っていますが、トータルの個人販売を含めた数でいえばコロナ以前と変わらないうえ、売り上げ自体はむしろ良くなっているといいます。
なんと個人販売はコロナ前の4倍ほどに拡充し、マイナス分を相殺するどころか、売り上げを大きく押し上げているそうです。
とはいえ、課題がないわけではありません…
「昨年くらいから個人販売を大きく伸ばし、数字だけを見れば“良くなっている”が、そこにかかるマンパワーは業務用に比べたら倍以上、比じゃない。人も時間もかかる」と、㈱ふるさと海士の奥田聡さんは語っています。
「業務用はあらかじめ決まった数量で箱詰めしてあるものを送るなど発送作業が複雑ではないものが多い。でも個人でやるなら、小さい箱を数百個作って数万から数十万円余分にお金がかかる。しかも、ちゃんと丁寧にパッキングしないといけないし、そこまでの準備にも時間がかかる」と奥田さんは冷静に分析しています。
「同じ金額でも、そこに対する労力が違う。」
「こういう風にしていきたいみたいなのは各々あるし、会社としても大きい目標はあるが、個人販売が伸びたことで業務量が膨大になったので、一日がルーティン作業で終わることになってしまう。。。色んなことをする余裕が生まれてこない」と思わず奥田さんの口から本音が漏れる瞬間があり、その光景が今執筆している最中にも鮮明に脳裏に浮かんでは消えていきます。。。
ちなみに、人手が足りないという意味では、
その解決策として、島体験や島留学といったインターン生あるいはUターン者を活用することができそうですが、話はそう単純ではないようです。
ポンと入ってできる仕事ではないので、長めの期間で島に滞在することが確約されていて、週に少なくとも2~3回現場で働ける人材を同センターでは募集しています。逆に言えば、その期間午前中だけでも働けるのであれば、大きな戦力に成り得るし、業務も十分覚えられるということです。
2.比較的短い期間で来る人をどう扱うか?
「インターン生が週に1~2回現場に入って、やっと業務を覚えた頃には、さようなら(!)ではもどかしい。。。ナレッジの共有はどうするのか?当人がいなくなった後にオペレーションを組めるのか?」
以上のことは、同センターに限らず、還流人材を多く受け入れる海士町全体にとっての重要な課題の一つであり、これからも議論を続けていかなければならないはずです。
3.既にあるものをどう使うか?
他に何か抱えている課題は、、、?
自然相手の商売だからこそ、今に限らず、長いスパンでの一番の懸念は「不漁」になることなのではないでしょうか?
奥田さんは少し語気を強めて、間を置かず以下のように回答して下さいました。
「ここ数年は特に海の状況が読めないというか、、、でも、本当に獲れるときに一気に勝負に出ないと。そういう態勢を取っておかないと。構えだけはしておく必要があると思っています。」
白いかがない!
「たとえ、そんな”エースや4番"に匹敵するような主力が欠けている状況でも、ほかに売るものがあるので、シマメ(スルメイカ)などの加工品に力を注いでなんとかやるしかありません」(奥田さん談)
これは言い換えれば、
止まっていても仕方がないという、半ば義務感に似た動機がある一方で、
「逆にチャンスではないですが、本来勝手に売れていたものがない現状で、どう今あるものを売っていくかという“クリエイティブ”で“ポジティブ”な見方もできる」ということです。
4. ”with コロナ”の時代に
今後どういう形態になっていくのが望ましいのでしょうか?
「完全にコロナの脅威がなくなったとしても本当に今までのような流れに戻るかどうかは分からないので、個人販売の方に全力を注いで伸ばせるだけ伸ばしていくためのシステムを構築することが大事だと思っています」
(奥田さん談)
そして、個人販売の量が加速度的に増えていくことに比例して、日々のルーティンワークも多くなっていくことは明らかですが、業務に追われるだけでなく戦略を練ったり、実際に営業活動を行う人材を確保する余裕を持ったりすることが、CAS凍結センター、ひいては「株式会社ふるさと海士」の未来を占う試金石となることは間違いないようです。
・最後に奥田さんから、一言!
「良い商品はたくさん持っているが、それをなかなかアピールするのが下手くそなんで、ふるさと納税を通して、きっかけはそれでもいいし、あるいは逆に通販からふるさと納税へ行ってもいいし。まずは知ってほしいというところですかね」
5. おわりに
奥田聡さんをはじめとした㈱ふるさと海士の皆様、取材にご協力いただき、ありがとうございました!
またの機会にぜひ、ふるさと海士で働くそれぞれの方のお話もより詳しく伺えたらと思います!!
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最後まで読んでいただきありがとうございました!