【短篇小説】朝と夜の温度差は丁度いい

私は、朝と夜の間に生まれた。
だから、朝と夜を知らない。知らないのだ。

私は、何を言っているのかわからないと、よく言われる。そう、言われるのだ。
納豆を口の中にかけると言って、なにそれって笑われた事がある。他にも。
今月の貯金、末広がりにならないかな、と言って、なにそれと馬鹿にされたり。
子供の頃から、宿題忘れた!宿題書いた人、私のノートに引っ越しさせてー!と言って馬鹿にされたり。給食のおかわりジャンケン私も取り入れてー!と言ったり。その時は、惜しい、と言われた。何が惜しいのかわからないが。

そんな私だが、今日、道を歩いていると、遠くの方から警察が進んできて、ほー、と思い、私もこのまま歩行するとその警察とお互い入れ替わり立ち替わり進む事になると思った。
だから、警察に対して、そうなりますねー、と言ったら、警察はニコッと笑って、そうですね、と、言ってくれたから警察は愛していて、優しい。

家に帰ると、座布団の上に、彼氏が座っていて、落語の練習をしていた。本当にやる人では無いのに。それだから彼氏は、私の何言ってるかわからないに、厳しいのだ。
なんでそれなのに付き合ってるかって?それは、彼氏の顔が、好きだからだ。彼氏も、私の顔が好きだ。素敵な世界なんだよな。素敵だよ。

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