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詩集

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詩を書いていきます。
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#気持ち

【詩】バウムクーヘンの真ん中で起きた事

君が助けた瞳と、私が助けた瞳 お互いの瞳に光を灯しあった 世界は輝きに満ちて、夢のような現実になった 妖怪が助けてくれと言ってくるが、私達は目玉の光を使って妖怪を燃やした コンビニの前でたむろする連中も ハエや、ナンパしてくる人も 全部全部、目玉の光を使って燃やした 私達は、表彰された 水曜日のダウンタウンに出た 栃木の大使になった スクワット協会を紹介するようにお金を貰った 私達の愛は、金になる 誰が買うかわからないが 誰かが買ってくる そういう事が続いて、私達は、愛

【詩】優しい私の心を抱きしめて

こんなに辛くても こんなに悲しくても こんなに愛してくれる人がいるから こんなに生きていける こんなに楽しくて こんなに嬉しくて こんなに愛せる人がいるから こんなに生きていける そんな気持ちの裏面には、掻き乱れた傷跡があって、いつ自分に悲鳴を浴びせるかわからない だけれども、前を向いて、たまに後ろを向いて、のんびり幸せに生きていきたい 牛乳パックを開けたら中身がこぼれて服に着いた アイロン台はまだ熱かった 炊飯器はまだ鳴らなくて 掃除機のコードで転びそうになる そん

【詩】渋滞したピアス待ち

私が消えて無くなった頃、その人の居場所がわかった。また生まれた瞬間、その人の居場所がわからなくなる。表と裏みたいだ。コイン?いや、1円玉にもならないような奴。つまらない奴。なんでつまらないかは、私が決めたから。そうでもしないと、耐えられないから。 線路で寝転んで、寝返りを打って早押しボタンを押す。死ぬ理由の早押しだ。中央線と、埼京線と、京王線。どの人が最初に正解出来るかな。 時々、思わないんだ。いつも何かを思っているのに、時々、思わないんだ。 薬が小さい。苦痛も小さい。

【詩】気持ちだけが住むその場所で

捨てられた私はトラックに乗って大手町まで行って飛び降りた 大手町の角には揺らぎの寂しさがあり 少し触れると真っ直ぐ立つ寂しさであった 切なさと悲しさがまぐわっていて、それを喜びが目を輝かせて見ていた 怒りと虚しさが闘うコロシアムは、意外と、沢山の家族連れの平穏が見ていて、手を振っていた 私だけが物体である 他は気持ちしかない世界だ 私は、私は、 あ、私は気持ちを無くした 気持ちがなくなり、物体だけになった それを見た喜びが、ぴょこぴょこと跳ねて、私の周りを踊った なんてことだ

【詩】最大限に意味のない会話

肩甲骨から羽根を生やし 僕は世界中を飛び回る インド、アラスカ、サイパン、韓国 世界中の輝き、世界を見て回る 家に帰って、羽根を剥がして燃えるゴミの袋に入れる 僕の頭は全て満たされた 感動と、好奇心で、全て満たされた でも、心は? 心はなんにもなっていない 僕の心は凍っていて 何を見ても、誰と話しても、溶ける事は全くない なんでか、さっぱり、わからないが 28歳頃からそうなった 歯医者で痛いところがあって、手を上げてそのまま暴れた スーパーで万引きしまーす!って叫んで、万

【詩】特別な自分だけの気持ちなんて、ある

どんな気持ちも、既にもう誰かが感じたことのある気持ちなんだ、だから自分だけが感じている気持ちなんて、そんなものは、ある その悲しさ 悔しさ 嬉しさ 喜び どれもみんなと一緒のフリー素材を使い回しているだけ、心の中でリツイートしあって回しているだけ、ではない だって 絵にしてごらん その気持ちを みんな違う絵を描くだろ 詩にしてごらん その気持ちを みんな違う詩を綴るだろ あなたの気持ちは、どれも、あなただけのものなんだ 特別なあなたの、特別なあなただけの気持ち

【詩】小皿に乗せた気持ちの温度

夢の中で電子レンジに自分の心を乗せて温めた 所要時間2分くらいかなと思ったが、やっぱり15分は必要だなと、セッティングした 温まる間、頭から瞳に向かって涙が降りてきた 今まで頭に溜まっていたんだね 涙とか、悲しさとか、心が気付かないよう頭が代わりに抱きしめてくれていたんだ 15分経って、心を掴んでまた胸の中にしまった 体が温かくなった 頭も温かくなった ポカポカしている今が、本当の自分なのか、特殊な自分なのか、どっちなのだろう また心が冷えたら、電子レンジで温めたいけれど、夢