公園
公園のベンチに座る。毎日。
公園のベンチで小説を読んだりする人もいるだろうが、僕は何もしない。ただ、公園を眺めるだけ。たまにコンビニで買ったコーヒーをすすりながら。
…毎日?雨の日も?コーヒーに入る雨粒を見つめながら座ってんの?服をびっしょりと重く濡らしながら?やば…と思った人がいるかもしれない。
気づいた人は…きっと君も雨が好きなんだろうね。雨の日に目を向ける人は少ないと思う。
流石に雨の日にただのベンチに座るようなことはしない、耐えられないよ笑
雨の日は東屋の中へ行く。特別な日だ。
東屋までの道、傘に当たる雨粒の音を聴きながら独りで歩く。他に人はいない。
到着。傘を閉じる。パラパラと雫が落ちる。少し湿ったベンチに座る。いつもの様にコーヒーをすすりながら、公園を眺める。
東屋が僕を雨から守ってくれてる。
公園の様子は晴れの日と違う。当たり前だ、と少し笑ってしまう。
暗くて、静か。物寂しい。木々自体が寂しがっているような。雨に揺さぶられている。
東屋の中は、一定のリズムが刻まれている。トタン、パラン。このリズムに耳を傾けているとちょっと楽しい。孤独だけど、この空間を独り占めしている。
「僕がいつもいる環境は、公園の木々と一緒なんだよ…。」
ボソッと呟いてみる。東屋の中に響く。東屋は僕の言葉に共感してくれただろうか。
「僕を取り巻く環境に、感情を揺さぶられちゃって…でも、それって雨の日の公園が物寂しいように当たり前のことなのかな。でも環境が僕をつくっていって…それってなんか悔しい。」
あぁ、俺まだ子どもだってことに気づく。