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2023年の免罪符

 芸歴2年目としての活動がもう少しで終わるわけだが、今年1年を振り返っても、激動の日々もなければ明確な成長を実感した瞬間もなく、おそらく芸人というのはほとんどの人が毎年変わり映えのない日々を送っているわけで、M-1グランプリの準決勝に進出した漫才師(芸歴15年目以下の漫才師のTOP30!)でさえ、準決勝で敗退した際に「あぁまた同じ1年を繰り返すのか」と年の瀬に意気消沈してバイト先へ向かっていくような世界である。

 そんな世界にいると、お笑いという世界に身を置かない人から「地に足つけなさい令」を一方的に下され、芸人という世界から追い出される人は多い。そんな中「うちテレビ出たんやでぇ」は芸人を続けていることを咎められないための免罪符として一定の効力を発揮するわけで、今年は幸いにも元日からこの免罪符をいただいたことで、見知らぬ人に咎められることもなく1年を過ごすことができた。その効力を持続させるためにも年が変わる前に今年の免罪符を列挙する。(あと普通にいっぱい褒めてほしい)


2023年に発行された免罪符
(テレビ4本、ラジオ2本、ネット番組1本)
※【】内は披露したネタタイトル

  • フジテレビ『爆笑ヒットパレード2023』【上京】

  • フジテレビ『ネタパレ』【火事のマンション】

  • インターネット放送局『松井咲子の爆笑クレッシェンド』【結婚式の誘い】

  • 千葉テレビ『白黒アンジャッシュ』【上京】

  • TBSラジオ『マイナビラフターナイト(5月放送回)』【何かの間違い】

  • TBSラジオ『マイナビラフターナイト(10月放送回)』【みたことある】

  • BSフジ『冗談来人』【何かの間違い】


 「芸歴2年目で7つのメディア出てるのもすごいですけど、違うネタを5本もやってるんですね!」は素晴らしい着眼点。どんどん口に出して言いましょう。全部YouTubeにあげてるので興味あったら見てください。


 あと例外として、今年の1月にYouTubeにあげたこのネタ

 夜に動画をあげて寝て起きたら5万回ほど回っており、現時点で79万回再生されているこの動画。未だになぜこんなに再生されたのか謎に包まれているこの動画。当時は、再生回数が加速するにつれてコメント欄に湧き始める評論家やアンチを他人事のように観察していた。「おもんない」と書かれるのは別にいいのだが、唯一不本意だったのは、”嘘をつく時鼻を触る”みたいな古来からある定番の癖をアンダースローに変えたらシュールで面白いかなと思って作ったネタだったのに、多くの人がこれを「野球あるあるネタ」と捉えていたことだった。
 「いやー面白いけど、野球好きにしか伝わらないネタだねぇ。」
 どこがやねん。
 この時期はライブの平場で話す話題に困らなかった。これも芸人にとっては嬉しいプレゼント。

 逆に今年振り返ってしんどかった事といえば「自分が面白いと思えるネタ」を1本も作れなかったこと。しいてあげるなら『何かの間違い』というネタくらい。(ちなみに『アンダースローの彼女』は一昨年作ったネタで個人的には自分たちのネタの中で一番好き)

 いやはや面白いネタはどうしたらできるもんかと、2023年は1人で考える時間を意図的に増やしてみたが、そのせいで「人と話さなすぎて性格が暗くなる」という弊害を被った。

 2024年の目標は「人といっぱいおしゃべりする」

 今年一年ありがとうございました。よいお年を。
 

 最後に思い出の写真たち。



『爆笑ヒットパレード』に出演した際の楽屋写真。元日のフジテレビは、世間が思い描く通りの芸能界のショーケースみたいな場所だった。めるるの取り巻きが10人くらいいて怖かった。


『ネタパレ』に出演した際の、千原ジュニアさんのコメント。1ヶ月くらいこの写真つまみに酒がすすむすすむ。


『コントが好き』というTKOさんが出演するライブ
の楽屋での集合写真。周りがキングオブコント決勝進出者などの実力者ばかりで圧倒的なレベルの違いを思い知らされた。


『松井咲子の爆笑クレッシェンド』の楽屋。学生時代推してた咲子さんに会えた満足感で放心状態の俺。この後マネージャーに「頼むから芸人辞めないでね」と忠告を受ける。


『秋ネーター』という人力舎の年一大型ライブでの一枚。普段めったに後輩とご飯に行かない吉住さん・お抹茶さんがご飯連れて行ってくれた。今あらためてみたらお抹茶さんのピース変だな。


『ロッカールーム』という隔月で行っている新ネタユニットライブ。毎回ギリギリまでネタができず胃が痛いライブ。終わった後の酒がうまい。

わざわざ読んでいただいてありがとうございます。 あなたに読んでいただけただけで明日少し幸せに生きられます。