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普段とは違うリズム

しまった。寝坊した。

もともと夜遅くなりがちな私だが、それでもいつもはエナドリで自分を叩き起こしていた。
疲れが溜まっていたのか、そんなことを考えながら、ベッドから這い上がり、身支度をして外に出る。

もう間に合いっこない授業。
諦めざるを得ず、そのまま昼食を食べにでかけた。

普段通り起きていたらどんなだっただろうか。
予備校の申し分ない素晴らしい授業を詰め込み、またたくさんの発見とともに眠気と闘っていただろう。

授業がない寂しさとともにうどんをかきこみ、そのまま真っ直ぐカフェに出かけた。
フラペチーノを脇に置き、問題集を取り出す。

頭が冴える。
よく寝たからだろうか。
普段なら投げ出すだろう。
そう思った問題にもスラスラとペン先がメスのように切り出す。
気づけば十数問も済ませていた。

授業に出ずに勉強が捗っているとは皮肉なことである。
若干の罪悪感とともに、午後の授業へと出陣した。

席はもうほとんど残っておらず、部屋の隅の席に身を押し込んだ。
いつもの倍は寝たんだ。もう眠くないぞ、さあ来い!
と意気込む。

授業が始まって気づく。
持ってくるテキストを間違えたのだと。
何を解いているのかもわからないまま写経が始まった。
「ちゃんと考えながら授業を受けるんだぞ、『見て写し病』は駄目だ」
という高校時代の先生の言葉を思い出していた。

一日が終わった。
やはり早く寝よう、余裕を持って毎日を過ごしたいんだ。
何百回目かの同じ後悔のカウントをまた一つ増やし、私は帰路についたのだった。

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