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「希死念慮の月」

もう死のう___

そう思ったある夜、私は本気で自殺未遂をしました。
理由はよく覚えていませんが、鬱がひどかったことは覚えています。
今あるものは、曖昧な記憶と腕の傷跡。
そして、あの夜書いた遺書です。



まず初めに遺書を書きました。
どうせ死ぬんだから、もったいぶらずに1番お気に入りの便箋を使いました。
いままで大切に、大切に、取っておいた親友とお手紙交換をする用の便箋です。
淡いピンク色のお花柄が可愛くて、本当に大切にしまってありました。

父と母に、生まれてから今までの全ての感謝やずっとずっと迷惑をかけて生きてきたことを謝りました。
親友に、友達になってくれたこと、助けてくれたことへの感謝と、自死を選んだことを謝りました。
バスケチームのメンバーに、私なんかを誘ってくれたこと、青春の味を教えてくれたことの感謝を綴りました。

そして___私の心を壊したあいつへの恨みを、全てぶつけました。

‘’私は、お前に言われた一言を、たとえ地獄の底に落ちても忘れない
お前は人を殺した罪を一生背負って生きろ
地獄で待ってる”
(1部抜粋)


次は、ロープの準備です。

ちゃんと学期末に荷物を持って帰ってよかった。
だって、ロープ状の縄跳びなら、しっかり首を絞められますから。

インターネットで調べて、頑張って結びました。
いまどき、自殺の仕方もネットで調べたら出てきてしまうんですね。
インターネットは、便利だけど恐ろしいものです。
不器用なので、何回も結んではやり直して、結んではやり直して。

結びながら、大好きな幼稚園で友達と鬼ごっこをしたり縄跳びで遊んだことを思い出して少し切ない気持ちになりました。

大好きな幼稚園の思い出が詰まった、大事な縄跳び。
もう、あの頃には戻れないんだな。

おっといけない。
走馬灯を見るには、まだ早すぎます。

やっとできたそれを、ドアノブにかけて準備万端です。

そしたら最後に、愛犬ならぬ愛猫にお別れの挨拶をして、Twitterで世界にお気持ち表明して、イヤホンから爆音で大好きな音楽を流せば、完璧です!









あとは死ぬだけ

やっと自由になれる

ずっと、ずっと、死にたかった

死んでしまえば、もう楽になれる








あとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死ぬだけあとは死
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怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖

息ができない、苦しい、死んじゃう、痛い、心臓が張り裂けてしまう、お母さんに会いたい、親友に会いたい、また友達と遊びたい、青春したい、どうして?、どうして私だけなの?、なんで死ぬまで悲しい思いをしないといけないの?、なにかの罰なの?、辛い、辛い、辛い、死にたい、死にたくない、なにも考えられない、どうしよう、ほんとに死んじゃう、死んじゃう、死んじゃう、助けて、誰か助けて、気持ち悪い、顔が鬱血する、血管が爆発してしまう、音楽が聴こえない、心臓の音だけが頭に響く、助けて、猫に会いたい、カッターを隠さなきゃ、お母さんが心配しちゃう、部屋も汚い、このまま死ねない、死にたくない、惨め、恥ずかしい、悔しい、羨ましい、恨めしい、嫉妬、感情がぐちゃぐちゃする、視界が崩れる、涙?、泣いているの?、私はどうしたかったの?、私は、ただ、普通に学校へ行って、友達と青春して、楽しい日々を送りたかった、死にたくない、死にたくない、助けて、誰か助けて、、、













気がついたら、ロープから首を離して、ひたすら泣いて、泣いて、泣きました。

あんなに‘’死”を望んでいたのに、苦しくて、辛くて、痛くて、黒い感情をドロドロに煮詰めた様な物が脳みそに流れ込んでくるような、そんな体験をしました。

その時気づいたのです。
私は、初めから死を望んでいる訳では無い。

フラッシュバックするトラウマ
悪口の弾丸
胸が潰れそうなほどの劣等感
憂鬱に溺れる夜
躁と鬱の荒波

私は、それらから逃げたかっただけだった。
ただ、他の子と同じように生きたかった。
こんなつらい現実から、逃げたかっただけなのでした。

ほんとに馬鹿だね、私。
もう自分がなにかすらわかんなくなっちゃった。

私は近所迷惑のことも、寝ている家族の事も、何も考えないで、ただただ号哭しました。
まだ闇の深い真夜中に。



それから、部屋に一筋の光が入りました。
燃えるような朝日で、私の闇を引き立てるように、ただただ輝いて、それはそれは綺麗で。

嗚呼、純粋無垢な光なのに、どうしてこんなに胸が痛いのだろう。

もう、何も考えられない。考えたくない。


それからの出来事に題名をつけるならば、
「虚無の朝焼け」

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