「栄養不足です」。

 こんにちは、あめです

薄々気づいていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれないが、1月末から本業の税理士法人を休職している。原因は明白で、シンプルな過労だった。

税理士法人が多忙を極める時期は、11月から3月。なぜならば、3/15の確定申告に向けて、膨大な量の申告書の作成をしなければならないから。
毎年、そのXデーに向けて、税理士法人の全職員は一丸となり、基本的に1日の時間のほぼすべてを捧げる。私も数か月間ではあるが、寝食を忘れて働いていた。
具体的には、朝9:00から夜22:00。途中お昼休憩(規定では1時間だが、実際は買い出しも含めて30分以内で済ませることが多かった)と、宵に1時間ほど夕食の時間が与えられるが、それ以外は全て仕事にコミットしていた。
PCから目をそらすことは、基本的にはできなかった。大量のメールとチャット、それからExcel計算と向き合わなくてはならなかったから。

そのあとは、個人の副業である英語指導にあたった。英語指導をしている時間は大好きで、正直なところ、税金の計算をしているよりもずっと大きなやりがいを感じる。それでも、長い労働時間のあとに授業を実施するとなると、くたくたになってしまって、声に力が入らない日が続いた。
決して安いお月謝を頂いているわけではないのに、価値に見合うようなパフォーマンスができていない自分に対して自己嫌悪が募った。おまけに、大好きな語学学習や読書にちっとも時間を割けない。
もちろん「時間がない」というのはただの言い訳でしかない。大変なスケジュールをうまくこなしながら、それでも時間を捻出して学習を続けている人を、私はたくさん知っている。それでも、自分の体力では、疲労のあまりシャワーを浴びて倒れこむのが精いっぱい、という状況では、勉強に手がつかなかった。

激務の中、精神的におかしくなりはじめるのに、そう時間はかからなかった。
12月中頃から、お昼ご飯がほとんど喉を通らなくなった。私はもともと大食いな方でで、回転寿司でも15皿(30巻)くらい食べる。そんな私が、一人分のスーパーのお弁当を半分も食べられなくなってしまった。食べ物を食べようとすると息が詰まって、胃がぐるんと回転するような不快感に襲われた。1人分のお弁当を昼と夜、2回に分けて、それも無理やりお茶で流し込む生活が続いた。

その後にすぐに影響が出たのは、睡眠だった。
眠ろうとすると動機で眠れず、うまく眠れたとしても、仕事の夢ばかり見るようになった。Outlookの画面が大写しになって、その前で焦りながら必死に返信メールを書いたりしている自分。夢の中で作業しても、お給料はでないのに… 平日、休日問わず、目が覚めた瞬間から仕事のことが不安で不安で、日曜の夜には涙が溢れた。
いや、日曜の夜だけではない。1月に入ったころから、何をしていても、どんな時でも、ふとしたことで涙があふれるようになっていた。仕事をしているときはもちろん、例えばお昼ご飯を買いにスーパーに行くとき、お手洗いに行くとき、ボロボロと波が出てしまう。蛇口の栓が開いてしまったように、一度始まったら止められない。真昼間に道端でうずくまって、一人で嗚咽している成人女性はさぞかし不気味だっただろう。自分の意志で止められるものなら私だって止めたい。だけど、身体がうまく言うことを聞かなくなっていた。

眠る、食べる、基本的なことが全てできなくなってしまい、仕事どころか日常生活もままならなくなりそうだったので、さすがに危機感を感じた。午後休をもらって、心療内科に駆け込んだ。少し症状を話しただけで、すぐに適応障害の診断書が出た。秒速だった。「3月末までお休みしてください」とドクターストップを受け、最初に抱いたのは仕事に穴をあけてしまった事実に対する罪悪感だった。しかし同時に、心底ほっとしている自分もいた。

同時に心電図、血液検査などを受けて、健康状態には目立った異常がないことが確認された。ただし、心療内科の先生からはこう言われた。「血糖値が低く、鉄分や亜鉛が足りない。一言でいえば、栄養不足です。それから、甲状腺ホルモンの値が著しく低い。つまり、落ち込みが激しく、鬱になりやすいということです」
栄養不足だったのだ。心も、身体も。

お休みをもらって、今日で1か月になる。療養と投薬治療を続ける中で、諸々の症状は軽くなった。少しずつご飯は食べられるようになっているし、睡眠導入剤がなくても眠れる夜が増えた。
それでも、今でも体が重く、半日くらい活動できないときもある(ベッドに磔になっているような感覚で、とても苦しい)、眠れない夜は動機が止まらず、しんどさのあまり泣いてしまうこともある。仕事を休んでいる罪悪感は完全には消えていない。希死念慮もゼロになったわけではない。おそらく、完全に克服するにはもっと長い時間が必要になるのだろう。

それでも、前を向いて、ゆっくりのペースではあるものの、前進できていることに感謝したい。
オンライン、オフライン問わず、周りの人の支えのおかげで、今の自分はこうして生きていられている。文章を書いたり、英語を教えたり、好きなことを続けることができている。本当にありがたいことだ。

支え、応援してくださっている皆さんには、感謝してもしきれません。ありがとうございます。
そして、これからもどうぞよろしくお願いします。

それでは。



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