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箕面の滝に昆虫採集にへ行った話

宿題だのインターンでさっぱり虫から離れており、これはダメだと二週間前の週末の夜に時間を捻出して箕面の滝に昆虫採集に行ってきました。

➀道が舗装されていて歩きやすい
➁道沿いにあるトイレのライトや街灯で簡単に灯火採集ができる
③駅が近いうえ、電車も少なくない
④電波がつながりやすく、大体スマホが使える
と箕面の滝道は簡単に昆虫採集ができる場所でリハビリにピッタリなのである。

箕面駅を降りて箕面の滝道に入る…前に、分岐地の自動販売機と街灯を確認
早速第一昆虫発見

アオスジリンガ Clethrophora distincta 幸先がいい。
ここで採集しようとするがアクシデントが、無理やり来たせいでタッパーを忘れてきてしまった。仕方ないので自販機で250のペットボトルを買って飲んでケースを用意する。幸いティッシュはあったのでべたつきで虫が取れないなんてことはなさそうで良かったがこのままどうなるか… 
と落ち込みながら作業(即席タッパーつくり)をしていると
すぐ近くでアオマツムシ Truljalia hibinonisを発見

小さい頃は木の上にいて声は聞くけど姿は見たいといった虫だったので、見つけると気分があがる。

ということでアオマツムシパワーで気を取り直しつつ
そのまま、滝道を歩いていく。入ったところの橋を渡ったところの最初のトイレは何もなし、そのあとはライトアップを見ながら滝道を進む

ライトアップされた紅葉、まだ緑色だった

そのあと昆虫館まで行って自動販売機+二つ目のトイレを探す…ここも外れ
ここからはヘッドライトを付けて柵や地面も探していく

ゴミムシsp、多分ヨリトモナガあたり
トゲナナフシ Neohirasea japonica
クチキムシ Allecula melanaria
コマルキマワリ Elixota curva

道中でいろいろ発見できるが、この時期は普通種が多めで晩秋特有の蛾を見つけたいところ

冬蛾を探してい街灯まわりをガサガサしながら進んでいって、滝道は中ごろを超えたあたりでようやくお目当てを発見

ケンモンミドリキリガ

ケンモンミドリキリガDaseochaeta viridis だ
この鮮やかな緑色をした綺麗な蛾はキリガという秋から冬にかけて出て来る蛾のグループに属している。
キリガはやることの少ない秋冬に出て来る虫ということで結構人気のグループ、ケンモンミドリキリガはそんなキリガの仲間でも最普通種の一つで、ふとした時に見つけられ、綺麗な緑色と手ごろの大きさで人を蛾の道に呼び寄せる蛾だ。(体験談)

その後三つめのトイレは空振り、ちょっとしたインターバルを挟んで

アオバハゴロモ Geisha distinctissima 

滝近くの街灯で蜘蛛の巣に引っかかってるヒメヤママユ Rinaca jonasiiを発見

ヒメヤママユ Rinaca jonasii

蜘蛛の巣に引っかかっていたのでちょっとぼろいが、今年唯一のヒメヤママユになりそうなので、ありがたく採集させてもらう。
そのあと箕面大滝についたので、記念写真を撮って

箕面大滝ライトアップ中、結構観光客が多い

滝近くの4つ目のトイレにいって、何やらメリハリのある縁取りがある蛾が

キマエキリガ Hemiglaea costalis

最初はモンヤガっぽいなぁと感じていたがグーグルレンズにかけると、
キマエキリガ Hemiglaea costalis という蛾で私は初めて…?見た気がする
良く知らないのでネットやSNSを調べると、この模様は中々人気のようだ。

滝道の終点についたので戻っていくと三つめのトイレに向かう橋の手すりでカマキリを発見

負傷していたので、全体写真はとれず

確認したところハラビロカマキリ Hierodula patelliferaだった、最近は外来種のムネアカハラビロカマキリに押されて減っているらしいのでここでは長く残ってほしいと願う
その後はめぼしいものもなく、かなり戻って二つ目のトイレ近くまで戻る

ウラギンシジミ Curetis acuta paracuta よく目立つ

と街灯の下で小さな茶色い虫を発見、上から節が見えるし明らかに変な姿をしている

ん?
カマキリだ?…幼虫の?
翅がないしこんなじきにカマキリの幼虫…?いや例外いる


ヒナカマキリだ!!!

ヒナカマキリ Amantis nawai がいたのだ。
ヒナカマキリは成虫になっても翅をもたない小さなカマキリで大阪府では純絶滅危惧種とそこそこ珍しい、そして生息環境が照葉樹林と限られ、落ち葉の上を歩く生態から探すのがかなり難しい虫だ。

図鑑だと枠が余りがちなカマキリのコーナーによく乗っているものの実際に見たことないし、見つけるのは相当骨が折れそうだと思っていた虫がいきなり見つけれたものだからびっくり!!無理してきてよかったと思う瞬間であった。

その後は周りの植物を探りながら戻っていくと
ハネナシコロギス Nippancistroger testaceusを発見

ハネナシコロギス Nippancistroger testaceus

これもさっきのヒナカマキリと同じく成虫でも翅がない昆虫なのだがこちらはまだ幼虫、幼虫のまま冬越しをするようだ

最後にカメムシを追加しておしまい

ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosus

何気なくとったがあまりピンとこなかったので調べたところ
ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosusと言い
南方系の昆虫らしい。ピンとこないし南方系だしということで、一瞬珍しいのかと期待したが関東あたりまでは広がっている記述を確認、多分最近秋に平地で採集してないのが原因っぽいな…。

ということで無事11時くらいに箕面駅に到着し、帰ることができた。
突貫工事で採集に行ったにしては色々取れて満足の行く採集だった

☆まとめ☆
アオスジリンガ Clethrophora distincta
アオマツムシ Truljalia hibinonis
ゴミムシsp
トゲナナフシ Neohirasea japonica
クチキムシ Allecula melanaria
コマルキマワリ Elixota curva
ケンモンミドリキリガDaseochaeta viridis
アオバハゴロモ Geisha distinctissima 
ヒメヤママユ Rinaca jonasii
キマエキリガ Hemiglaea costalis
ハラビロカマキリ Hierodula patellifera
ウラギンシジミ Curetis acuta paracuta
ヒナカマキリ Amantis nawai
ハネナシコロギス Nippancistroger testaceus
ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosus


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