人生はそんなに単純で論理的じゃない
「人生はそんなに単純で論理的じゃない」
理想と現実とのギャップに
押し潰されそうになっていた私に
尊敬する師匠がそう言ってくれた。
適応障害と診断されて一年。
実は、最初はこう言われても
まったく聞き入れる余裕はなく、
やっと最近になって心に届いた。
症状がひどい時は誰の言葉も耳に入ってこなくて
閉塞感を感じて、息苦しくて、
自分の殻に閉じこもって
ずっと負のループに入ってしまう。
自分は何もできない。
何の取り柄もない。
仕事もできない。
友達もいない。
今から何を頑張っても無駄なんだ。
そもそも地頭が良くないと何やったって結果は出ない。
自分に市場価値や社会的価値はない。
何も達成できない自分の未来が見える。
こんな人生、いっそ終わりにさせたい。
こうやって何度も頭の中で繰り返すことで
自分で自分を傷つけて、追い詰めた。
薬を処方してもらい、一年がたった今、
やっと師匠の言葉が理解できた。
その時、初めてハッとして、
衝撃というかショックを受けた。
これまで私が考えていたことは
ほとんどが思い込みで、
消去法という名の自己否定をし、
どんどん選択肢を狭めてしまっていたことに気付いた。
具体的に例を言うと、
3つの飲食店のアルバイト経験から
自分は早く動けないからサービス業は向いてない。
→飲食店が向いていないから
サービス業全般がダメなんて範囲が広がりすぎている。
そもそも飲食店と言っても、
例えば、居酒屋と高級料理店とでは働き方が全く違う。
早い動きが苦手なら、
ゆっくり丁寧な接客をする仕事は
向いているかもしれない。
それに、たった3つしか経験していないんだから
他の飲食店ではちゃんと役に立てるかもしれない。
私は何をやっても失敗ばかりする。
失敗ばかりする自分は無能で役に立たない。
→ この時の私は失敗してはいけないと考えすぎて
逆に普段よりもミスが増えていた。
しかし、人間は失敗するもの。
失敗して何が悪い。
もちろん、失敗しないよう努力は必要だが、
さっきの自分より少しできるようになれば良い。
ドンと構えて、「次は頑張ります。」と笑い飛ばして
少しずつ自分のペースで前進すればいい。
恋人ができない自分は性格に問題がある。
→人と人との縁は巡り合わせ。
まだ出会っていないだけ。
私は結婚ができないだろうから、一生幸せになれない。
→未来のことは誰にも分からない。
幸せイコール結婚ではない。
こういう悪い経験があったから
きっと自分にはできない、向いていない。
今こうだから、未来もきっとこうなる。
このように何でもネガティブに捉えてしまって
どんどん選択肢を狭めてしまっていた。
私が適応障害ゆえにネガティブに考えすぎてしまっているということもあるが、
そもそも私たちは様々なカテゴリーに当てはめて物事を単純化しようとしている。
よく聞く一般論でも、
自営業や専門職、フリーターなどより
企業に入った方がいい。
さらに大企業であればあるほど良い。
→どんな働き方が自分に合っているのか、
やりたいことが何なのか、
自分にとって大切なものの優先順位などによって
働き方は変わる。
お金が大事
家族が大事
趣味が大事
友達との時間が大事
おそらくほとんどの人がどれも大切だが
バランスは人によって違うはず。
それぞれの比重を考えて
自分にとって1番適した仕事を探せばいい。
そもそも、会社の大きさや職種によって
その人の価値は変わらない。
仕事に貴賤はない。
未経験の職種に転職するなら30歳までにしなければならない。
→ 「何かを始めるのに遅いなんてことはない」と
よく聞くが、
確かに、働きたい企業の採用に
年齢制限が設けられていると
断念せざるを得ないかもしれない。
しかし、道はその一つだけではないはず。
日本に企業は386万あるんだから
もっと自分に向いた会社があるかもしれないし、
他に自分のやりたいことを
仕事にする方法があるかもしれない。
せっかくやりたいと思ったことを
諦めてしまっては勿体無い。
活躍して脚光を浴びている人は
幼い頃からそれを行なっている。
今から自分が頑張っても無駄だ。
→始めるのが遅くても活躍している人はいる。
それなりの努力は必要だが、
自分に合っているかどうか、
それが自分にとって楽しいかどうか、
続けられるかどうかが大切。
それに、出会いや運によって何が起こるか分からない。
恋愛は結局見た目から入るから見た目が大事。
→単純に見た目だけでこの人とずっと一緒にいたいって
思わないだろう。
一緒にいて楽しいとか、安心するとか、
結局は総合的判断なのではないだろうか。
子供が欲しいなら早くに結婚しないといけない。
→リスクは高くなるが高齢出産をしている方も多くいる。
結婚も出産も自分のタイミングでいい。正解はない。
他にも、
日本人はこう、外国人はこう、
男はこう、女はこう、
若者はこう、高齢者はこう、
この職種の人はこう、など
このようにステレオタイプな考え方をしてしまうことはないだろうか。
物事はとても複雑で、何かを考えるときに分かりやすいようカテゴライズされている。
それは議論する上では良いかもしれないが
個人を当てはめるのはどうだろう。
実はいろんなカテゴリーに属していて、
一概に、「私はこのカテゴリーに属する」とは言えない。
Aでもあるし、Bでもある。
「私はAであるから、Bではないんだ」と
誰かが決めた範囲に当てはめて
自分の可能性を狭めてしまうなんて勿体無い。
みんな違うゴールがあって
誰一人として同じ人生は送れない。
だから誰かと比較したりすることは無意味で
自分で自分の道を切り開いて行くしかない。
人生は単純でも論理的でもない。
未来がどうなるかなんて誰にも分からない。
未来のことばかり考えても想像でしかない。
変えるのは未来ではなくて、今。
今を変えよう。
今を生きよう。
人と比較してしまって辛い時におすすめの曲。
✳︎槇原敬之さん の 世界に一つだけの花
✳︎ Selena Gomez の who says
✳︎P!nk の F**kin' Perfect
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