いま、病院で起きていること

現在の医療現場について、看護職の方から、詳しく、ありのままのお話を聴かせていただきました。私たちは新型コロナウイルス(COVID-19)にかかる可能性もありますが、ほかの病気になる可能性も十分あります。家族や自分が病気になったら、目の当たりにすることです。
※なお、新型コロナウイルス(COVID-19)を略してコロナと記しています。

【コロナ以外のほかの病気の患者さんに起きていること】


当初は悪性疾患、循環器疾患の手術は行う方針でしたが、ICU/CCUでもコロナ患者の受け入れを開始した為、手術後にICU/CCUに入室する必要のある手術はできなくなりました。毎日数十件行っていた手術は10件にも満たない件数になりました。

現在入院している患者さんの治療は継続していますが、終末期の患者さんへの医療には変化があります。通常、終末期の患者さんには苦痛の緩和、人としての尊厳を守る為の医療を提供しながら、残された時間を家族や大切な方と過ごしていただきますが、それができません。

面会禁止の為、残された時間が少ない患者さんにも家族が付き添うことができません。お看取りは医療スタッフで行い、霊安室での面会になることもあります。通常の医療であれば、提供していたであろう点滴・薬剤等も提供しにくく、苦痛緩和をする事で精一杯の状況です。透析の終了タイミング等も通常とは異なり、医療従事者として経験のないことをしています。
同期に聞いてみても、ほかの病院もだいたいそんな感じです。

外来も縮小しているため、予約外の患者さんは一切受けられず、
なぜ診てもらえないのか、と怒鳴られるようなトラブルが多発しています。

感染症疾患の状態の悪い子などがいても、受け入れられません。
都道府県から病院は、まだまだベッドを増やしてほしいと言われ続けている現状です。

【治療にあたっている医療従事者のこと】


ほかの部署からも、コロナの患者さんのところへ助けに行っています。
コロナの患者さんに対して、今のところできることは少ないです。
飲食がとれていれば点滴もしません、効果的な薬もなく、見守るのみのことも、多いです。
人工呼吸器を付けている方には管理が必要ですが、付けていないレベルの方だとできることは少ないです。
ほかの病気のほうが、手がかかります。治療、看護でできることがたくさんあるからです。
普通の患者さんのスタッフを減らして、コロナの患者さんのところへ助けに行くので、ほかの病気の患者さんの安全は心配な面もあります。
繰り返しになりますが、ほかの病気の患者さんの面会も今は一切、できません。完全に停止です。
亡くなってもコロナの患者さんでなくても、家族はお見送りはできず、
霊安室で、看護師によるお見送りになっています。
ご家族で、コロナにかかっている(可能性のある)無症状の人が来ることを避けるためです。
病棟の医師も削られ、ほかの病気の医師の当直回数も増えています。家族に会えず亡くなることを避けるため、病院から出ておうちに帰る方は増加しています。
通常だと、移動のリスクが高いなどの理由や行なっている医療の終了が難しい等で在宅移行できないケースも家族・患者の希望で在宅移行する方もいます。
地域の在宅医療の先生方、訪問看護の方々が積極的に受け入れてくれているのです。
民間救急も、いつもは運ばない、運んでいないような重い症状の患者さんを必死に搬送してくれています。
コロナ受け入れ病院の患者さんは一切受け入れません、という市中病院もあります。
だからこそ、地域で受け入れてくれる先生方には感謝です。

【マスクのこと】


コロナの治療、看護にあたる人にももちろんですが、ほかの病気の治療、看護にあたっている人たちに全く足りていません。
N95ではなく、薬局で普通に売っているサージカル(不織布製)マスクが全然足りていません。
抗がん剤を作るとき、職業性暴露を予防するためのマスク、そのときにもマスクがありません。
普通の業務をするときのマスクが全然ありません。
排泄のケアをするときのマスクもありません。
一日一枚(またはそれ以下)を使いまわしています。
(処置したら交換できたものが交換できません)
NICUでマスクがない病院もあります。

サージカルマスクは、医療機関に回してほしいです。

ここまで
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マスクについて、病院では、受け付けられるところと受け付けられないところもあるので確認してから送ることが必要です。また、問い合わせが病院に殺到することも困るので、ある程度取りまとめることも必要かと思います。

堀成美先生によるこちらのポスターがある病院は、マスクの寄付を受け付けているそうです。(病院ホームページなどを確認)

また、神奈川こども医療センターの豊島先生のブログには、個人からのものも受け付けているとありました。

私も、個人的に、医療機関に送るために、取りまとめをしています。布マスクではありません。これから自分や家族が感染することも考えて、それでもストックがある方などから届いています。数がまとまったらすぐに送りますね。

コロナに対応してくださっている医療者も、ほかの病気に対応してくださっている医療者も、本当にそれぞれにいま、大変な状況であることがわかります。
本当にありがたいです。
せめて物資だけはと思うものの、物資がまるで足りないという悲鳴は、この方だけでなく、ほかの病院の方々からも出ています。

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