どこかの誰かが大きく困ることがないように・・・
毎日実に様々な問題が起きています。小さなものから大きなものまで。
そんな中で、わたしが一番このままじゃいやだな、何とかしたいなと思っているのが、小児医療の問題です。
それで、なんやかやと試行錯誤しながら、10年が経ちました。
現在は、国や都の小児医療や救急医療にかかわる多くの委員を務めています。なんのためにやっているのか、そのことにどんな意味があるのかよくわからない、親のための活動をもっとやってほしいという声をいただいたことがあり、今日はそのことについて書こうと思います。
毎日飛び込んでくるニュース。
何とかしたいという思いが沸き起こるものもあります。ここ最近起きた子どもの命に関することだけをとっても、虐待やブロック塀の問題、熱中症、川の事故・・・どれも見過ごせないことばかりです。
大きな事故が起きてからでないと、悲しいことが起きてからでないと、
変わらない・・・
そんなの違うと思っています。
日常で気が付いていたら、その気が付いた人が動いて、ほんの少しでも変えていくことが必要だと思っています。(もちろん悲しい出来事を契機に物事が大きく動くこともあります)
すべての物事に手出しはできないけれど、できないからこそ、
その道の専門家のひとに問題提起したり、一緒に考えたり、発言したり
しています。
たとえば・・・学校に(地域によっては)エアコンがない、という問題。
子ども達には、もちろん命にかかわる問題です。
そして先生方にとっても、エアコンのない環境下で子どもに授業をしながら、子どもの健康管理に目を配ることは、とても大変だったのではないでしょうか。
この記録的な猛暑で、自分自身もおかしくなってしまうような状況下で、
いつも以上に子ども達に気を配り授業を行っていかなければいけない・・・
先生方が日頃から気を配っているのは、授業についてだけではありません。
そんな中、エアコンがあれば少しは教師の負担が軽くなると思います。
親はどうでしょう。
このような猛暑の日々、寝苦しいながらも、子ども達は眠れているかな。
朝ご飯、ちゃんと食べているかな。
目を光らせるのではなく、いつも通りかな・・・と見ていくことは私たちにもできることです。
子どもも、お腹が痛いとか頭が痛いとか、自分の身体の状態について、親や先生に言える環境かな、どうかな・・・。(もちろん年齢・性格の問題もあるので、全員そうすべきという話ではありません。)
先生だけの問題、親だけの問題ではなく、設備だけの問題ではない。
けれど、この件では、エアコンがあるだけで、教師の負担は軽くなるし、
子ども達の安全は格段に確保されます。学業に集中できます。
ひとつの側面からだけでは、見られない。
教育も保育も、そして小児医療も、いろんな力を結集して初めて進んでいくものだと思います。
だから、今回の件で、エアコンが必要だという話のときに、
現場の先生を批判しているわけではもちろんなく、
どうしたら防げるか、どうしたら個々の重荷が軽くなるだろうか・・・。
そのために、政策だったり、予算だったりを考えていくことが必要であるという風に思います。
今回、エアコンの問題がわかりやすいかなと思い出しましたが、実際に私自身がかかわって調べたり発言したりヒアリングを受けたりしているのは、教育や保育ではなく、小児医療の問題です。
こんな風に仕組みの面から、どこかの誰かが大きく困ることがないようにと思い、どこかの隙間に落ちて困っているような人がないようにと思い、現場の様々な方々から現状を聴き意見を聴き、親御さんからの話に耳を傾け、そして仕組みの面からも改善できることを模索したり、無駄はないかと検討したりしています。
これが、検討会や委員を多く務めて何をしているの?という問いに対する答えです。みんなを代表して自分の意見を言っているわけではなく、
それぞれの場所で頑張っている多くのひとの声を届けることができたら、とそんな風に思っています。
ほんの少しずつでも、今よりもよい環境にしていくこと、より良い状況で次の世代へバトンを渡せるようにと願って・・・。