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エントリーレベルのマネージャーをスクラムマスターと統合するアイデア

こんにちは。天野です。

スクラムマスターを組織として運用すると、よくマネージャーとの違いや役割分担について考えます。チームにPO/SMを置きながら組織のマネージャーとして活動する過程で、最近はマネージャーと分担するというよりはリーダーシップとして統合されるような感覚も持ち始めました。


マネージャーにはPO要素もSM要素もある

昨年、チームの基本の型としてPO/SMを置きましょうとするチーム作成ガイドを作りました。

チームの基本方針としてはこれで良いと思いますが、自分も実際にマネージャーとして組織に関わってみると、組織としての方向性を揃えることと自律性のバランスを取るにはまだまだ要素が足りないことを実感します。特に、チームとチームの間(上下も左右も)を繋ぐところを、誰がどんな責任でリードすべきかの整理が非常に複雑です。

Scrum@ScaleはPOサイクルとSMサイクルを作るというコンセプトですが、組織にはマネージャーや既存の役割が大量にあり、それらと折り合いをつけて各サイクルとして機能させなければいけません。

組織にとってもっとも馴染深い責任のある立場といえば、やはりマネージャーです。マネージャーは伝統的に組織を「いい感じにする」ことが求められており、そのために発揮するリーダーシップにはPO的なものもSM的なものも存在します。実際、re:Workの優れたマネージャーの要件にはSM要素もPO要素もあります。

1. 良いコーチである
2. チームに任せ、細かく管理しない
3. チームの仕事面の成果だけでなく健康を含めた充足に配慮しインクルーシブ(包括的)なチーム環境を作る
4. 生産性が高く結果を重視する
5. 効果的なコミュニケーションをする - 人の話をよく聞き、情報を共有する
6. キャリア開発をサポートし、パフォーマンスについて話し合う
7. 明確なビジョンや戦略を持ち、チームと共有する
8. チームにアドバイスできる専門知識がある
9. 部門の枠を越えてコラボレーションを行う
10. 決断力がある

1はまさにSMという感じがします。7などは典型的にPOに求められる振る舞いです。他の要件も、SMやPOのリーダーシップとして違和感のないものばかりです。つまり、優れたマネージャーは、PO/SM両面のリーダーシップをバランスよく発揮できるのだと考えられます。

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。