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スクラムマスターとアジャイルコーチの年収調査レポートを読んだ

割引あり

昨年末頃から実施していたスクラムマスターとアジャイルコーチの年収調査レポートが公開されました。自分も調査に参加しました。

レポートはこちらからダウンロードできます。

https://www.agorax.jp/wp-content/uploads/2024/05/scrum-master-agile-coach-salary-survey-report-2023-2024-by-agorax-servantworks.pdf

日本初の実態調査レポートなので、いちスクラムマスターとして、またスクラムマスターを採用する立場としても非常に興味深かったです。


収入に相関が強いのは経験年数

「平均年収:約1,000万円、中央値:980万円」という数字を見ると意外と高いなと思いますが、こちらはあくまで調査に参加した人の平均/中央値であり、全スクラムマスターの平均/中央値ではありません。

実際、詳細結果の「5. スクラムマスター・アジャイルコーチとしての経験」を見ると、経験2年未満の回答者は21/75名となり全体の28%です。調査の参加者は概ね4年くらいの経験があり、1,000万円程度の収入があるということです。

スクラムマスター・アジャイルコーチとしての経験

経験年数が5年を超えると収入が大きく伸び、平均値が1,000万円を超えます。7年以上になるとさらに大きく伸びますが、これはコーチとして独立して報酬形態が変わる人が増える影響が大きそうです。

興味深いのは、経験1〜2年と3〜4年ではほとんど差がないことです。上記のグラフから読み取る限り800万円くらいでしょうか。スクラムマスターは4年間は給料が上がらないというわけではなく、想像ですが、5〜6年あたりから大きくポジションが上がる・フリーランスになる・副業案件を得られるようになる、などの変化があるように思いました。

端的に言うと、社内の大きい仕事を任されたり独立が視野に入るような、いわゆる一人前のスクラムマスター・アジャイルコーチになるためには、最低5年程度の経験が必要になると読み取れます。

レポートから読み取れる典型的なスクラムマスターの属性

調査結果サマリーに記載されている情報なども読み、各項目のもっとも中央値に近い属性を挙げてみました。

年齢:39歳
年収:980万円
経験年数:約4年
最終学歴:学士号
前職:ソフトウェアエンジニア/開発者
雇用形態:企業内雇用
兼務:何らかの役割と兼務している
業界:ソフトウェア/インターネット
(認定資格は解釈が難しかったので挙げず)

フリーランスも含んでの中央値なので、企業内雇用のスクラムマスター・アジャイルコーチとして見るとかなり高いレベルに近いイメージが抽出されたように思います。キャリアのモデルのひとつとして参考になるかも知れません。

5年の経験をどう得るか

本レポートからは、5年の経験を境にスクラムマスター・アジャイルコーチとして市場競争力を持ち、収入も伸びることが読み取れます。5年の経験をいかに得るかが、スクラムマスターのキャリアのもっとも大きな壁と言えます。

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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。