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時の移ろい 季節の行事  

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地域の伝統行事や厚洋さんと一緒にやった季節の行事。 そして、移ろっていく美しい自然、愛しい人の愛した我が家の花達の代わりに語りたい
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2022年10月の記事一覧

残照

残照

 東山魁夷氏が「残照」を描いた場所に立って残照を見た。日本画を始めてから見ると何度も見ている風景が違って見えるから不思議だ。 
 我が街の文化ホールの緞帳は東山魁夷の「残照」が描かれている。
 それは、我が街の絶景「九十九谷」を描いたと言われたためである。

 1945年11月に魁夷氏の御母堂が死去すると千葉県市川市に移った。
 市川では、馬主として知られる同地の実業家である中村勝五郎から住居の提

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鹿の聲

鹿の聲

 久々に夜遅く帰って来たら、大きな角を持った鹿と遭遇した。
 相手もびっくりしていたが、私もびっくり❗️急ブレーキを踏んで、寸での所で止まったからよかったものの、そのままっこんで居たら、今日、10000円も掛けて「点検整備」をした車を壊すところだった。
 家に帰ってニュースを見たら、なんと
「北海道では、
 蝦夷鹿とぶつかった車が、
 更に対向車とぶつかり、
 重傷者が出ている。」
とか。
 最近

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秋の日

秋の日

 こんな穏やかな秋の日は、1ヶ月ぶりである。
 見慣れた隣の家が、知らない国の可愛い家に見えるのは、秋の穏やかな日差しのせいだと思う。
 ホトトギスも咲いた。
 柊の花芽がまん丸く青い。

雨の日だって音がないのだが、晴れた日の音のないのは優しい。
延びてきた日差しが部屋の中を暖かくしてくれる。
 「秋桜」という歌があるが、まさにこんな日だったのではないかと思ってしまう。
 こんな穏やかな日は、も

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日本の秋を知らせたい

日本の秋を知らせたい

 ボランティア活動の一つとして、君津国際交流協会のお手伝いをしている。
 文化交流委員会に所属して、ちょっとしたイベントをしながら、「日本文化」について知ってもらおうと思っている。
 3年前は、日本の古民家で地域の「祭り寿司」を楽しんでもらおうと企画したのだが、我が街に大きな台風が来て、古民家の屋根瓦が飛ばされ被害が酷く、公的施設で開催した。
 来年こそは…。と考えていたのにコロナ禍となり、イベン

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秋の匂いと金木犀の雨

秋の匂いと金木犀の雨

 秋の香りというと何を思い出しますか?
 食欲の秋・味覚の秋なんて思い出す人は、
秋刀魚を焼く匂いでしょうか。
 厚洋さんは秋刀魚が好きで、真秋刀魚が出るとどんなに高くても買って来て、七輪で焼いていました。
 そして、真愛に向かって言うのです。
「あはれ秋風よ
 情(こころ)あらば伝えてよ
 ----男ありて
   今日の夕餉(ゆうげ)に 
   ひとりさんまを食らいて
   思いにふける 
  

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片見月

片見月

 長生きすると色んな事を知るものだ。雑学博士の厚洋さんに向かって偉そうに語ってしまう。
「ねぇ。知ってる?
 お月見ってね。十五夜のお月見だけでは
 不完全なんだそうよ。」
 だいたいお月見「十五夜」は、中国の伝統文化「中秋節」が始まり。
中秋節は、中国では中華三大節の一つとして
春節(中国の旧正月)
清明節(里帰りやお墓参りをする)
と並ぶ節「祭日・祝い事・催し物」
 日本の十五夜と同様、毎年の

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