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初めてのポカリ体験

初めてポカリスエットを飲んだのは、小学校5年生の夏だった。

日本の小学校に転校してきて、通された校長室。
校長先生と父と弟、そして私がいる。

父と校長先生がなにやら喋っているけど、内容は分からない。
日本語は挨拶とひらがな、カタカナのみ特訓して来たのだから、それ以上はただの音。

転校するとまず校長室に通されるんだっけ?と疑問に思いながら、出された目の前の乳白色の液体を見つめていた。

白い絵の具を2滴ほど水に垂らした色をしたその液体は、味の想像ができなかった。

この未知の飲み物を試すか否か。こんなことすらもドキドキする。
生まれて初めての海外。言葉も分からない。
正直、浦島太郎の方がまだマシだと思った。彼は違う生物とも言葉が通じるのに、こっちは同じ人間同士でも全く通じない。未知の世界に来てしまった感じ。。。すべてが恐る恐るで、いちいち勇気が要った。

でも会話に交わる訳にもいかないし、子供だから愛想笑いも限界。
暇がチャレンジへと背中を押した。


ゴクッ。

一口飲んでみた。

うん??

??なんだこれは?

なんとも。。。
なんとも言えない。。。

なんとも形容しがたい味。

うーん

。。。まずい。

甘くもちょっとしょっぱくもある。
何味?って聞かれたら答えられない。
強いて言えば、、「微妙な味」かな。

一口試したけど、一口でいいドリンクだった。
普通にオレンジジュースで良かったのに。。。なんでまたこんな難しい飲み物を。。。ここでは人気あるのかしら?謎だわ。
でも、私にはいいや。一口で相性が分かったから。

これが私の初めてのポカリスエット体験だった。
あれから大人になり、今では普通に好きである。
夏は特に欲しくなるし、風邪気味の時は、1.5Lのをがぶ飲みする。
大塚さん、お世話になってます。

でも、改めて考えてみると、確かに微妙な味だね。(笑)

ポカリってなに味ですか?

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