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【ビジョナリーカンパニー】 時を告げるのではなく、時計を作る。

時を告げるのではなく、時計を作る。
今読んでいる本の中に書かれている重要な一節です。

その本の名前は、ビジョナリー・カンパニー

時代を超え際立った存在であり続ける企業18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討し、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かしていく本です。

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本書では、「ビジョナリー・カンパニー」の定義をこうしています。

ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業。

本書 P.3より引用。

そこで、ビジョナリーカンパニーと一般企業の比較を整理してみました。

❶リーダーの性質

ビジョナリーカンパニーのリーダーは、必ずしも超カリスマ的存在のリーダーではありません。これは本書で何度も繰り返されます。「ビジョナリーカンパニーを作ること」と「リーダーがカリスマ的存在であること」に相関性がないことが本書により徐々に見出されていきます。

一般企業のリーダーをカリスマとした場合、彼が現役でいる期間は会社の業績を一気に伸ばすことができますが、彼が引退した後、業績も同時に落ちてしまうリスクがあります。

一方で、ビジョナリーカンパニーのリーダーは「第五水準のリーダー」であるといわれています。「第五水準のリーダー」とは、本人が持つ志が非常に高く、その志が自分ではなく組織に対して向けられており、自分の名誉には興味がないことが挙げられます。

【要約】
会社の繁栄において、リーダーがカリスマ的存在である必要はないが、会社の成長を第一に考えられるリーダーである必要がある。

❷価値あるもの

一般企業では、会社の売上を作ること、つまりその源泉となる「売れる商品づくり」に重点を置きます。つまり一般企業において価値があるとされるものは、自社の商品です。商品に価値を置く場合の最大のリスクとして、短命で終わりやすいことが挙げられます。短命で終わってしまった際のリカバリーが非常にハードなものとなり、結果として存続できない可能性が生じます。

一方でビジョナリーカンパニーでは、素晴らしい製品やサービスを次々に生み出せる会社の仕組みそのものに重点を置きます。仕組みそのものに目を向けることにより、商品が短命で終わってしまった際のリカバリーを容易にすることができます。仕組みが整備されることにより、同様のプロセスで素晴らしい製品やサービスが次々と自然に生まれてくるからです。

【要約】
アウトプットである「商品」と、プロセスである「仕組み」では、プロセスである「仕組み」に目を向けた方が組織の再現性が高まり、繁栄が持続しやすい。

❸創業時にあるもの

一般的には、「成功した会社には創業時から素晴らしいアイデアを持っていた」と認識されています。しかし、本書の中で挙げられているビジョナリーカンパニーでは、素晴らしい商品アイデアを持ってスタートしたわけではありません。アイデアではなく「誰とやるか」、つまり「誰を自分の船に乗せるか」から始まっています。

例として、日本を代表するソニーがビジョナリーカンパニーとして挙げられていますが、創業当初は「何を開発するか(売るか)」が全く決まっておらず、数週間にわたってどんな商売を始めるか協議したそうです。

一方で、一般企業(素晴らしいアイデアからスタートした企業)では、その素晴らしいアイデアにより一時的な繁栄を手にすることができます。しかし、そのアイデアの生命が尽きたとき、業績も合わせて落ちていくリスクがあります。

これはあくまで持論ですが、このようなアイデア(つまり商品やサービス)から始まった企業に集まる人材は「利益目的の人」が多い傾向にあるのではないかと思います。そのアイデアがうまくいかなかったとき、目的である「利益」が追求できなくな理、組織が離散するリスクも高いと言えます。
一方で、組織としての生命力や推進力が高いビジョナリーカンパニーでは、「ビジョンに共感した人」が集まる傾向にあります。この場合、何らかのトラブル発生時においても、組織内で自然と素晴らしいアイデアが生まれ、繁栄を継続できる仕組みができているのではないかと思います。

【要約】
ビジョンに共感した人が集まる会社では、組織のリカバリーを含め、さまざまな困難に対処できる仕組みが自然と作られる。

❹成長スピード

一般的な会社は、ウサギ、つまり急速な成長スピードを望みます。過度な投資によるリターンを短期間で得ようとする傾向があります。この場合、状況に応じた柔軟な変化に対応することができず、事業が短命で終わってしまうリスクがあります。

一方でビジョナリーカンパニーは、カメの成長スピードであることが多いです。これは望んだ結果ではなく、あくまで結果です。継続的な実験や開発、さらには改善を通して長期的に繁栄することを望みます。

例として、アメリカの大手スーパー「ウォルマート」では、現在のようなスーパーマーケットの業態で成功する前に、いくつかの業態を試してきましたそうです。「ウォルマート」は今では世界最大のリアル小売業とされていますが、創業当初は、最大の宿敵となる他社が存在していたそうです。そのライバルに勝つにはどうすれば良いか、地道に考え、改善を積み重ねた結果がいまのウォルマートです。

【要約】
「地道に積み重ねた結果の先に成功と繁栄がある」という考え方がビジョナリーカンパニーの成長スピードに対する考え方。

まとめ

本書は内容が非常に難しい本となっています。僕自身も読み始めてそう感じました。ただ間違いなく言えるのは、経営に関する考え方を身につけられることです。今日の投稿のように適度にアウトプットを通しながら、根気よく読み続けたいと思います。

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