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がんの遺伝子検査

こんにちは、ロトです!
今日はちょっと真面目な話題です。

現在、父が胃がんで闘病中です。
病態は深刻ではありますが、幸運にも薬がよく効き、副作用も非常に軽く済んでいます。
他方、治療の過程で、父の兄妹がほぼ全員がんを患っていることが分かりました。私のおじさんは40過ぎで胃がんで亡くなり、他のおばさんも全員がんに罹患していました。
(1人で複数のがんに罹患した方もいる)


1. 主治医からの提案−がんの遺伝子検査

ある日主治医から、「お父様のがん細胞を詳しく検査していたのですが、リンチ症候群の可能性があるので、一度お父様の遺伝子検査をしてはいかがですか?」と提案がありました。

2.「リンチ症候群」とは?

「リンチ症候群?」となったのですが、ある人のがんが遺伝子の異常で発生したものだとしたら、その遺伝子が50%の確率でその子世代に遺伝する。そして子世代に遺伝していたら、50%の確率で孫世代にも遺伝する。
そしてこうした遺伝性のがんは、大腸がんを中心にがんのリスクが非常に高くなり、早ければ10代から発症することもあるとのことでした。
ざっくり言うと、このようながんを「リンチ症候群」と言うようです。

3.遺伝子検査のメリットとデメリット

私には子供がいますので、私自身はともかく子供たちのことが心配になりました。
そこで父と相談し、遺伝子検査を受けてもらうことになりました。
ちなみに遺伝子検査を受ける本人(がんを罹患している私の父)の治療そのものには、遺伝子検査の結果は役に立つことはありません。
あくまで、子世代や孫世代、兄妹や親族への影響を調べるものです。

遺伝子検査の前にカウンセリングがあり、医学的な説明に加え、遺伝子検査のメリットとデメリットの説明を受けました。

  • メリット

  1. がん患者本人の次世代以降に、がんが頻発するかが分かる。

  2. 遺伝していた場合、がんになりやすいことを自覚して積極的に検診を受ける動機になる。

  • デメリット

  1. 費用:保険が効かないので6万円〜10万円程度かかります。

  2. 結果を知ることの倫理的意味:もし子世代(=私)に遺伝した場合、50%の確率で孫世代(=私の子供)に遺伝する可能性があります。もし孫世代に遺伝した場合、彼/彼女らが結婚する際、自分がリンチ症候群であることを交際相手やその親族に伝えるべきか否か悩むかも知れません。また、(現状は大丈夫だとおっしゃっていましたが、)就職差別につながるリスクもゼロではないとのことでした。また、父のがんが遺伝性であることが確認された場合、私の子供以外にも、父の兄妹や私のいとこにもそのことを伝えるべきか/ 伝えないべきかといったことも考えねばなりません。

メリットと、デメリットの費用面は考えていたのですが、デメリットの「結果を知ることの倫理的意味」については全く考えていなかったので、「そうか、そういうこともあるのか・・・」と思いました。

4.いざ、遺伝子検査

私の家族や兄弟にも相談し、父に遺伝子検査を受けてもらうことにしました。
再度採血を行い、ひと月ほど経つと検査結果が出たとの連絡がありました。

結果は・・・陰性でした。
父のがんは遺伝性ではないため、子世代である私や私の兄弟に遺伝することはまずないと。そして、孫世代である私の子供たちにも遺伝することはまずないという結論でした。
とりあえず、典型的な「リンチ症候群」の症状である、低年齢から頻発するがんになる心配はあまりしなくてよいとなりました。

5.学び

とはいえ、生活習慣に起因するがんも多数ありますし、検査はこれまで同様定期的に続けようと思います。

今回の一番の学びは、遺伝子を調べることで様々なことが分かる一方、社会的・倫理的な問題もあるんだということが分かったことでした。
「知らない方が幸せなこともある」、それが世の中なのかも知れません。
「知るべきこと」、「知っていた方がいいこと」、「知らない方がいいこと」、「知るべきではないこと」のように、「知ること」をめぐってグラデーションがあるのかなと思います。

今日はこのへんで。
健康第一。分かっちゃいるけど、難しいものですね。
とりあえず今夜はビール飲みます🍺

ロト




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