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30秒小説『それでも僕は変態する』

 しなだれた枝先に種だけ残しじゅるりと果肉音も静かに水溜まり途切れ途切れの波紋群がるオタマジャクシ。

「きゃっ!あんた今触ったでしょ!」
「え?俺?」
「あたしの身体触った」
「触ってねぇよ」
「嘘!股間を押し付けてきた!」
「股間?まだねぇよ!言い掛かりは止めろ!」
「出ていけ!」
「そうだそうだ!」
「オスになる予定のオタマは出ていけ!」
「え?ここってもしかして?」
「女性専用水溜まりよ!」
「くそっ!手も足も出ねぇ。でも今にみてろっ!」

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