超レアで入手困難だったホラー漫画『まむしの森』が復刻されていたので読みましょう
まず三行でまとめます。
たぶん三行でまとまってなかったと思いますが、伝えたいことは伝えたので該当者はさっさと読みましょう。297円とか超安い。アンリミでも読めるし、そしてアンリミは初登録30日無料だし。
もうこんなの実質3万もらえるようなもんでしょ。知らんけど。
そして話は今日の午前中にさかのぼります。知名度は低いけれども確かな面白さの傑作が並ぶ短編集『まむしの森』(綾瀬涙+K.東里)を読んで感想を書いていたんですね。
で、冒頭で3万くらいするって書いたんですけど、僕が買った時もそこそこ値段はしたんですよ。やっぱりその時も数万払って購入したはず。
そもそも漫画1冊に数万出す人は頭がおかしい人だと思っていたのですが、周りの人たちは割と購入しているのですっかり感覚が狂ってしまいました。別に裕福ではないのでその後食事のランクが2段階ほど下落した覚えがありますが。
んで「今値段いくらくらいするのかな?」と検索したら、普通に電子書籍化されてるしアンリミでも読めるんですよね。2023年の2月にKindleにひっそり登場してた。
「あの時払った僕のお金は……」と一瞬だけなりましたが、別に売るつもりないですし、こういうものが本棚にあることが本当の豊かさなんだと思います。
Welcome to Underground……。紙の本が電子書籍の100倍する狂った世界へようこそ。
ちなみに現在web上では駿河屋で買えるみたいですね。
買取価格は25000円でした。
まぁ金の話はいいや、値段よりもこの本の内容の方が狂っているのでそちらの話をしていきましょう。もう読んでいることが前提で書くので「ネタバレされた!」と言われても知りませんよ。
まむしの森の魅力とはインパクトがあり、センセーショナルなシーンが多く、それがものすごいスピード感で繰り出されるところです。なんか横文字が多くてすみません……。でも言いたいことは伝わったかな。
遊園地だったらお化け屋敷とジェットコースターを足して2で割らない感じですね。倫理や常識にしがみついてたら置き去りにされてしまうのでギアを上げていきましょう。
その持ち味がいちばん出てる収録作が『ずっと…いっしょ』です。あらすじだけ言うと腹の底では対抗意識をバリバリに燃やしてるけど、利害関係から表向きは仲良しを演じている3人組の女性が、転校してきたイケメンを取り合って仲たがいし、最後はとんでもない結末を迎える話です。
この3人組の行動の愚かしさがいいんですよね。やってることは不道徳で倫理性のかけらもない。私利私欲のためという動機でひた走ります。人間の醜い部分だけをじっくりコトコト煮込んだような感じ。
当然人から血がいっぱい出たり、内臓がいっぱい出たりします。
電子書籍になっても切り取る部分は変わりません。争いの末うっかり殺してしまうんですけど、その後の解決方法がすごいです。
ただ、うっかり人を殺してしまったとしてもこのルートに進む人はほぼいないんじゃないでしょうか……。
この0.2秒ぐらいで考えたような言い訳もすごい。あなた達、口の周りが血まみれですけど。
ならば最初から切ってトイレに流せばよかったのでは……?というツッコミが出てきますが、もともとホラー雑誌で連載されていたお話なのでその手の読者が喜びそうなシーンを、持ち前のサービス精神から入れているのでしょう。ターゲット層ド真ん中である僕としては、控えめに言って最高です。
最初に読んだ時はこんなツッコミなんて1ミリも頭をよぎらずに「な、なんて不道徳でヤバい作品なんだ~!!」と大興奮してましたからね。数回読み直してやっと突っ込むことができるようになりました。
まずそのヤバさに興奮して読み、冷静になってからはその粗さやライブ感を楽しむ。一粒で二度おいしい楽しみ方です。
単に冷笑するだけなら食費を削ってまで安くないお金をつぎ込んだりしません。僕は心底この作品に惚れ抜いているのです。
そもそもホラーとギャグは表裏一体。どこに視点を合わせるかで簡単に恐怖と笑いは往還すると考えています。ホラー界の神でありつつも『まことちゃん』で破壊的ギャグに踏み出した楳図かずお。ギャグマンガからキャリアをスタートさせた日野日出志。伊藤潤二も『双一シリーズ』は狙いすましたギャグですしね。
あとこの単行本では『還らず病院』も好きです。入院したことがある人が感じる不安、「実は自分は病気ではないが、誤診か人体実験のために入院させられているのではないか?」からスタートしものすごく後味の悪い結末に着地する展開は必見。
途中で主人公の■■が首を■■■とされるシーンのスピード感がすごい、とだけ言っておきましょう。
この作品を読んでホラー漫画の世界にハマってしまったら
次に読むべきものをまとめてるので読んでね。
では今回も読んで下さりありがとうございました。
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