オルタナティブスクールを分ける
『オルタナティブスクールの歩き方』を立ち上げて5日目。
想像もしなかった協力がたくさんあり、作業がとてつもないスピードで進んだ。
熊本、宮崎、そしてもっともボリュームがあり時間がかかると考えていた福岡も掲載が完了した。
さながら戦国武将の気分で、九州統一まであとわずか、そんな気分だ。
ちなみに、やっているのは各学校・団体のホームページを見て、こちらが必要とする情報を見つけ、抜き取り、まとめるという作業だ。
これをすべての学校で行う。
これがなかなか大変だ。
最初こそ「へー、こんな学校もあるんだー!」とキャッキャ言いながら進めていたが、12校目を過ぎたあたりで何も感じなくなり、何も考えず、ただひたすらに目の前の情報を処理していくだけとなった。
同居人によれば、全くの無表情で作業している運営人のメガネにパソコンの光は反射して、さらに不気味さをましているという。
無我の境地でサイト編集をしつつ、しかし情報は間違ってはいけないので、何回か「ハッ!今ボーッとしてた!」と間違いはないか無意識で編集したところを改めてチェックしなければいけない二度手間。
きっと、世の中にある数多の検索サイトにはこうした非常に人間じみた苦労があるのだろうなあ…、なんて思いを馳せつつ、今日もサイトに情報を打ち込む。
編集仲間、募集しています。
切実に。
(でも、こんなの書いたら余計に来ないよね笑)
こんな自分のサイトにネガティブキャンペーンばかりしていてもしょうがないので、アピールも一つ。
そもそも、なぜこのサイトを作ったのか。
もちろん、困っている方が他の教育選択肢を探しやすいようにというのが第一のねらい。
けど、それ以外にも目的があって、それが「オルタナティブスクールを分類する」ということ。
そもそも、「オルタナティブスクール」という言葉自体、かなり多義的に使われるためこれという定義がない。
広義には「既存の教育とは異なる教育」と説明されているが、それってあんまり意味のない言葉だ(このことは「オルタナティブスクールとは何か」という題で別に書く予定)。
とりあえず込み入った話は置いておいて、「オルタナティブスクール」としてまとめられる学校は、一枚岩ではない。
シュタイナーもあれば、サドベリーもあり、フリースクール、ギフテッド教育、独自の教育などなど、実に多種多様な教育がある。
僕の興味は、そういったさまざまな学校を分解し、要素を取り出してみたらどうなるのだろうか、という点にある。
これは、物質を分解して、原子という要素を取り出すというあの科学的な発想と似ている。
この世には無限の物質があるように思えるけれども、要素に分解していくと110ちょっとの原子が巧妙に組み合わさって出来上がっている。
とても不思議なことだと思う。
さらに原子は電子と陽子と中性子で構成されていて、さらに素粒子が…、というような具合に分解することができる。
教育も同じように、「いろんな学校があるよね!」というだけではなく、どんな要素があり、そしてそれをどう組み合わせているのかが分かれば、オルタナティブスクールと呼ばれているものがもうちょっと分かりやすくなるのではないか、という考えている。
でも、「教育を要素に分解する」なんていうと、きっと怒る教育者もいると思う。
「うちでやっていることは、言葉で簡単にまとめられるようなものではない!」と。
もちろんそうだと思うし、同じオルタナティブスクールスタッフとして気持ちはとてもわかる。
しかし、この作業は決して各学校・団体で行っている教育を貶めるものではない。
それは、この世のすべてを原子に分解したところで、この世界の美しさ、無限性が一向に消えないのと同じことだ。
むしろ、たった110ちょっとの構成要素でこれほど壮大な世界を創り出せるということに、僕は感動すら覚える。
オルタナティブスクールも同じように、要素に還元したところでそれぞれの教育のすばらしさが消えるわけではない。
この分類はいつか誰かがやらなければいけないことで、それを担っているのがこのサイトだと、僕は考えている。
なーんてかっこよくまとめたけど、目の前にあるのはひたすらな作業。
あらためて、編集仲間募集しています。
切実に。
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