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【シリーズ】知っておきたいお位牌のこと-番外編-〈1/2〉

こんにちは!アルテマイスター広報チームのわたなべと申します。
今回から新たにnote担当に加わりました。よろしくお願いいたします!


わたしは広報チームに入る前、製造の現場で位牌の生産に携わっていました。

そこで今回は、実際にわたしが働いていた現場におもむき、普段なかなか見ることのできない製造の裏側を2本立てでお届けします!




【シリーズ】知っておきたいお位牌のこと〈1/3〉では、多様なバリエーションの位牌をご紹介しました。

番外編では原点に立ち返り、伝統型位牌に注目して、製造の目線からとりあげていきます。


"伝統型位牌"とは

伝統的位牌の代表格〈呂色位牌〉
左から春日、極上千倉 吹蓮華 面粉、勝美


そもそも、伝統型位牌とはどういうお位牌を指すのでしょうか。
位牌のデザインごとに分けられた、下記の図を見てみましょう。

このように、現在では新しい素材や形状の位牌が多く展開されていますが、
その中でも伝統型位牌は、黒塗り唐木など昔ながらの材質を用いていたり、仏教の荘厳に通ずる装飾が施されているのが特徴です。

また、金仏壇唐木仏壇といった、伝統型仏壇に馴染むような形状が取られています。


お位牌のかたちの違い

皆様も、実家やおじいちゃんおばあちゃん家でご先祖様のお位牌を見たことがあるかもしれません。

しかし、仏壇に供えられている姿は見ても、手に取ってまじまじと見る機会はそう無かったのではないでしょうか。

ひとくちに"伝統型"と言っても、じっくり見てみると種類によってかたちの違いがあります。

木瓜もっこうと呼ばれるアタマのかたち

左が蓮華付春日 呂色、右が葵角切 呂色

■蓮華のかたち

かまちの足のかたち


などなど、それぞれデザインが異なることが分かります。

その他にもツヤのある塗りやマットな塗り、黒檀や紫檀など、素材や塗料によっても見た目が変わります。


アルテマイスターの位牌

アルテマイスターでは、加工から組み立てまで一貫して国内で生産しています。

また、人の目と感覚をつかって手作業でおこなっており、確かな技術力高い品質を保ちながら、一体一体ていねいに仕上げています。

本日はそんな位牌ができるまでの工程の中から、研磨・塗装・加飾の作業風景を、ちょこっと覗いてみましょう。


位牌ができるまで ~研磨~

黒塗り位牌の研磨をおこなう みなかわさん


塗料を塗る前に研磨をいれる
ことによって、より塗ったあとの表面がなめらかな仕上がりになります。

溝や角のすみずみまで均一に研磨がはいるよう、1パーツずつ手作業で研磨をしています。

位牌の足となる框(かまち)の研磨


また、職場の環境整備の一環として作業者一人ひとりのスペースに個別集塵機を設けています。

空間にゆとりを持ちつつ、個別集塵機が横一列に並んでいます


こうすることで、快適な温度管理に支障が出ることなく空気をきれいに保つことができるほか、電気費用削減にも繋がっています。

従来の大型集塵機(左)と、個別集塵機(右)のちがい


位牌ができるまで ~塗装~

研磨をいれた後は、塗りの工程に入ります。

お位牌は、一度の塗りでできるわけではありません。
一度にたくさん塗ってしまうと、内部の塗料が乾ききれず、きれいな仕上がりにならないのです。

塗って、削って、塗って、削って・・・を繰り返して、すこしずつ表面の厚みを出していきます。

層を重ねることによって、なめらかで重厚感のある仕上がりに


塗装工程では、当社独自に調合した塗料を用いて、一本ずつ吹き付けをおこなっていきます。

わずかな距離の違いや、腕をうごかすスピードの違いで品質が大きく変わってしまう、とても集中力のいる作業です。

塗り面が均一か、ゴミが入っていないかをしっかりとチェック


また、塗装ブースにわずかなゴミも入らないよう、常に清潔な職場環境を保っています。

この塗装と研磨の作業を、塗料の配合研磨の粗さを変えながら繰り返すことで、なめらかな表面へと変化していくのです。


次回予告

いかがだったでしょうか。
皆様の「こんなふうに作ってるんだ!」という驚きや関心につながれば幸いです。

さて、明日11/1(金)更新予定の後編では

  • お位牌に格式と荘厳さをもたらす金付け(加飾)の工程

  • 実際に現場に携わっている方への社員インタビュー

をお届けします。
次回もお楽しみに!


文/わたなべ