“デザインの役割は、人の幸せのためにある” 内田繁が描いたデザイン仏壇 白虹
デザイン仏壇・白虹は、アルテマイスターの代名詞とも言える仏壇シリーズです。
現代の空間にふさわしい仏壇を求め、インテリアデザイナー内田繁氏が描いた形・色を、当社の職人が作り上げました。2013年に発表した白虹A型は、今年で10年という節目を迎えます。
「現代の空間における聖なる場として」
古来より、神仏に関する造形表現は、各時代の一級の造形師である宮大工や工芸家、絵師などが係わり、それぞれの時代の祈りの文化を表徴してきました。クリエイターと呼ばれる現代のデザイナーや工芸家は、昔でいうなれば、宮大工や、絵師に当たるでしょうか。いずれも、まだ誰も目にしたことのない新しいものを描く創造者であり、時代の先駆者でした。
生活スタイルや価値観が激しく変化し続ける時代の中、現代の空間における聖なる場として、内田氏はデザイン仏壇・白虹を描き出しました。
白虹の由来
名称の由来は、太陽や月の光が「霧」に反射して見られる白虹現象という、自然現象からきています。通常の虹は、光が雨(空気中の水滴)に反射して虹色に見られるのに対し、白虹は光が「霧」に反射して白く見られる現象です。
日本では御来迎と呼ばれ、仏さまの後光のように見えることから、古くから修験道者たちにもありがたがられてきた現象です。
光だけで遠くの未来を感じられるようなものにしよう
内田氏は、アルテマイスターの金箔貼りを施す職人の技術に感心していました。仏壇に必要な“光”をどうデザインするかを考え、金箔貼りとLED照明の組み合わせで、象徴的な光の空間を描き出しました。
現代的な色味を表現したのは、伝統的な位牌の塗装技術
白虹 C型はインテリア性に富むカラーバリエーションを大切にしたシリーズです。目指したのは、漆塗りのような風合い。シンプルなフォルムゆえに、平滑な塗面に仕上げることは、高度な技術が求められました。
この肉厚で艶のある風合いを実現できたのは、伝統的な位牌の塗装技術があったからでした。塗装を施し、丹念に磨いて仕上げています。現代の化学塗料は速乾性のものが多く、乾ききらないうちに次々と塗料を均一にのせていく必要があります。そのため、塗布量を見分ける目が重要であり、C型のような平滑な面への艶上げ塗装は、高い技術が必要となります。
自宅の雰囲気に合う仏壇は、子供たちからも慕われる仏壇に
発売から10年、少しずつ白虹をお求めいただく方が増えてきました。
白虹をお選びになるお客様に多いのが、住まいの空間を大切に過ごしている、ということ。
伝統的なお仏壇では、自宅の雰囲気に合わない。でも仏壇は家族の繋がりのためにも持ちたい…。
そんな時に白虹に出会い、カタログや現物をご覧になり、「自宅の雰囲気に合う仏壇を探していた」と、お決めになるお客様が多いです。
また、子供さんと一緒に売り場で商品をご覧になったり、相談をされているケースが多いのも印象的です。「息子たちにも、白虹なら、自宅の雰囲気に合っているから」と、子供さんからもOKをもらい、ご成約になったお客様も。ゆくゆく引き継がれるご家族にも相談の上、決めていらっしゃる方が多いです。
白虹にはA型・B型・C型の3タイプありますが、
A型 … 扉が本体に収まるので、非常にスッキリとしている
B型 … 仏壇らしい観音開きの4枚の扉が良い
C型 … 他にはないカラーバリエーションが素敵
など、それぞれの特徴を気に入られ、お選びいただいています。
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これまでは仏間にお仏壇を置く家庭がほとんどでしたが、住宅事情や家族構成も変化し、近年ではご家族が集まるリビングにお仏壇を置く家庭も多く、インテリア性の高い仏壇を求めるケースが年々増えている傾向です。
日本固有の生活文化に敬意を払い、デザインの役割を「人の幸せのためにある」と定めた内田氏は、旧態然とした仏壇を「20世紀に積み残した宿題」と表現しました。
「現代のスタンダード」と自負したデザイン仏壇・白虹で、内田氏は一つの答えを出してくださったのではないでしょうか。
▽その他、白虹シリーズはこちらをご覧ください
※記事の掲載内容は2023年5月時点のものです