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<ISOアルファ通信> vol.85 SHALLって『強制』なの ?

おはようございます。
アルファエスアイ角本です。
 
この最近の広島は、本当に『外国の方』が多いですね。
特に通勤途中の『縮景園』付近には、
日本の秋の公園を見学しようと様々な国の方がいます。
 
英語、スペイン語、中国語、韓国語・・・
各国の言葉が聞こえてきます。
国ごとに別の国の言葉を聞くと
『怒っているように聞こえる』
『歌っているように聞こえる』
など、お国柄とリズムの違いを感じることがあります。
 
そもそもISOの公用語は、
英語・フランス語、ロシア語の3言語です。
みなさんがお使いのISO要求事項は『英語』を選択し日本語にしています。
この英語を翻訳し、日本型に変更を行っていないことで
理解が難しい状況を生み出しています。
 
たとえば、規格内にある『・・・しなければならない』という表現ですが
原文では『shall』という表現をしています。
 
英語圏ではない日本人は、『shall』の訳を、
1996年の『shall we ダンス?』 というコメディ映画の題名から
『踊りましょうか?』
〇〇しましょう、という捉え方をするでしょう。
 
これを日本のISOに関わる昔の方々が
『すること』と訳したところから、
窮屈なシステムになっているように思うのは私だけでしょうか。
 
その窮屈な規格をそのまま品質マニュアルに持ち込むことで
ISOの面倒さが生まれています。
 
ISOの規格要求事項という言葉も、
『ISOの質問事項』と捉えると、自由度と発想が生まれてきます。
きっとアメリカ人は、
shallを『しなければならない』と捉えていないはずです。
私たちも、ISOの質問(しましょうか)に答えるように
 
わからずやのISO様に、何をどうおこなうのかを、
丁寧に答えていきたいですね。
 
<<品質マニュアルは、回答書であるべき>>>です。
 
本日も『アルファ通信』をチラ見しながら、張り切って一日をお過ごしください♪
 
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【INDEX】
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
【1】ISOで困っていることは?
【2】~アルファの玉手箱~ 
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【1】『第3回ISOをぶっ壊せ』
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御社には、『品質マニュアル』を理解しているスタッフが何名いますか。
いえ、それ以前に『品質マニュアル』を読んでいるスタッフがいますか。
 
そうなんです、当社が行う『内部監査員養成セミナー』の出席者は
8割以上の方が
・読んだことがない
・見たことがない
・どこにあるのかわからない
という中で、ご出席されます。
 
また、顧客訪問時においても『品質マニュアル』は見たことがない。
という方がほとんどあって、そんな状況に愕然とします。
 
担当者がアナウンスしていないのであれば
理解よりも、意識がないのは当然です。
 
けれど、それ以前の課題がどの組織にもあるわけです。
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それは『品質マニュアル』が読めない、わからない、伝えられない。
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ということです。
 
そもそも、私がISOの内容が明確になったのは
3年以上かかり、
内容を理解ができたのは、それから2年。
それをどう使うべきかが見えてきたのは、それから1年
つまりこの世界に入り、これだけをしているのに
5年もかかったということです。
 
確かに、規格を誰かに解釈してもらって、伝え聞くことは簡単です。
けれど、その中で大きな疑問が生まれてくる。
 
何かといえば、お客様を訪問するたびに、会社ごとに
『規格の解釈、ISOの運用が違っている』
ということです。
皆様の大きな誤解は
『審査会社が正しい』
『何かあれば、言ってくれるだろう』
これ、違いますよ。びっくりするほど違います。
 
ISO導入時の担当者やコンサルタントの解釈がそのまま継がれて
いくことが問題なのですが、指摘がないから『あっている』
というのはまったくの間違いです。
 
みな、不適合がないことを望んでいる。
審査会社も最近は『そう』
つまり『是正できること』しか、指摘しないという民間商売なのです。
 
では、そもそもの課題である『品質マニュアル』等をどうすべきなのかを
次回書いてみたいと思います。(続く)
 
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【2】 アルファの玉手箱 ~『トヨタの失敗学』『失敗の科学』
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『トヨタの失敗学』 ミスを成果に変える仕事術
『失敗の科学』失敗から学習する組織、学習できない組織
 
転びそうになったとき。自分で、体に力を入れ踏ん張り、
体のバランスを維持しながら転ばなかったケースと、
転ばないようにする動作が上手くいかず、転んでしまうケース。
 
前者が、ヒヤリハット。
後者が、労働災害です。
 
ISO9001 8.5.1g)ヒューマンエラーを防止する処置の実施
をするために『ヒヤリハット活動』をしているお客様が半数以上です。
 
けれど、そこで課題となるのか
『起きてもいないことを、報告すること、収集することが難しい』
ということ。
 
いきなり『ヒヤリハット』を出してほしい、と活動を始める前に
数冊の本を回覧することで、活動の真意が伝わり
改善の種であることを理解しながら、報告数が上がっていきます。
 
『失敗だらけの毎日』が愛おしくなる本です。一読くださいね。
 
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《編集後記》
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『失敗』という言葉、耳に痛いですね。
 
毎年、品質月間にお招きいただくお客様のお陰で、いただいた題材の
学びをまとめてお話しする機会を持てます。
今年度は「失敗」についての考え方を、日本最大の失敗である
『太平洋戦争の敗戦理由、日本軍の組織的失敗事案』を
まとめた本などを、読む時間を持ちました。
 
『「超」入門 失敗の本質』
かなり面白いです。
 
そうそう、あるある、これって自分の会社のことではないか。
と感じる方が多くいらっしゃることでしょう。
こちらも一読くださいませ。(角本)
 
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●アルファ通信
発行日 : 毎月1日・15日頃発行
ご意見・ご感想はこちらまで weloveiso@asti-g.com
 
【発行元】
株式会社アルファエスアイ
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HP : http://www.asti-g.com
編集者:角本実香