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「いずみ13号」干し芋(ほしいも) 品種紹介

干し芋選びのヒント

生産量が少なく“幻の干し芋”と呼ばれて久しい「いずみ13号」の特徴をご紹介します。

いずみ13号  
干し芋ファンが最後に辿り着く、知る人ぞ知る絶品の希少品種

原料芋の栽培が特に難しく、そして手間が掛かるために生産する干し芋農家は年々減り続けている品種 、それが「いずみ13号」です。
そのため数年前から“幻の干し芋”とキャッチ―なサブネームも生まれ、希少品種と呼ばれて久しいですね。

では、なぜ栽培が難しいのでしょうか?

ここ数年は、「日照不足」「長梅雨」「梅雨寒」「ゲリラ豪雨」「酷暑」「超大型台風」と表現される 天候不良・異常気象に、ほぼ毎年のように襲われています。

この「いずみ13号」は、品種そのものは約80年以上前に誕生。
その後に品種改良はされていないと思います。
そんな理由から現在たびたび、「異常気象」とも表現される気象条件では、なかなか生育し難いというのが大きな理由であると生産農家さんは話します。  

続いて、「いずみ13号(泉13号)」    その名前の理由は?

A: 茨城県農業試験場の技師であった「泉正六」さんが、昭和13年に育成に成功したことに因んで 泉さんの苗字から「泉(いずみ)13号」とされた・・・説  

B: 「泉正六」さんが品種改良を繰り返し、13番目に成功したことから「いずみ13号」とされた・・・説  

生産する農家さんからは、上記2つの「説」を聞きます。
どちらが正しいか?真偽不明ですが、「泉さん」と「13」という数字に因んでいることは確かです。
どちらにしても、偉大な先人が試行錯誤の末に生み出した歴史があり 昔ながらの風味が味わえる品種であることに変わりはありません。  

「いずみ13号」の特徴は?

原料芋の状態は、他の品種と比べると小さめで白いので、すぐに「いずみ13号」と分かります。

栽培が難しいとご紹介しましたが、上手く生育する場所は水捌けの良い土壌が多い傾向です。
その条件に合う畑は、茨城県ひたちなか市の太平洋海沿いに広がる畑になります。
現在の国営ひたち海浜公園ファッションクルーズニューポートひたちなかがある周辺エリアが当てはまります。

もともと、このエリアはかつて水戸対地射爆爆撃場があったエリア
約20年程前、私はひたちなかテクノセンター内に勤務しておりました。
その当時は、隣のジョイフル本田ニューポートひたちなか店がホームセンターのみの営業をしていた時代
今では近代的なショッピングモールに変貌したエリアですが、
その当時、周辺は雑木林と干し芋畑が広がるだけの風景が広がっていました。

乾燥した風の強い日には、サラサラした赤っぽい土が舞い上がり、空が赤く見えていたのを覚えています。
その砂は、鉄分を多く含んでいるためサラサラのパウダー状。
当然水捌けも抜群
そんな経験から、やっぱりこの周辺エリアが「いずみ13号」にとって最適な場所なんだと感じたことも覚えています。

干し芋に加工するために蒸かして皮を剥くと「黄金色」(コガネイロ)と呼ぶに相応しいキレイなお芋が登場します!。

また、この加工場の甘く芳ばしい香りも、お芋好きな方には食欲をソソルたまらない空間です。

そして、乾燥が進むにつれて独特の濃厚な甘さ、ネツトリした食感
色も黄金色から飴色(べっこう色)に変化して行きます。
この強い甘さとネットリ感が好きな方には、たまらない「絶品干し芋」になります。
昔から指名買いをするコアなファンも多く、毎年発売するとすぐに完売になってしまうのが納得できる美味しさです。

平干し芋

まずは、ポピュラーな「干し芋」(ほしいも)と言えば、蒸した原料芋をスライスして乾燥させた「平干し芋」
濃厚な風味を他の食品に例えるなら「バニラ」「メイプルシロップ」に近いかもしれません (あくまでも私の主観です)
他の品種では感じることがない独特で濃厚な風味、「実際に食べてみてね!」としかお伝え出来ないのが残念です。

丸干し芋

コアな「いずみ13号」ファン、そして干し芋通が「最も美味しい」「一番食べたい」と言うのが「丸干し芋」
その理由は、やっぱり“特に濃厚な甘さ”でしょうか?

乾燥させ仕上がりが近づくと、原料芋のサイズが約半分以下ほどにまで小さくなります。
この過程で、お芋のデンプンがじっくりと濃縮され、甘さもじっくりと深まって行きます。
また、最近は天候不順から「干し芋乾燥機」で仕上げる農家も増えましたが、 最後の仕上げに「天日干し」を行うことで、さらに甘さと美味しさに深みが増します。

やっぱり、天然・自然の寒風と太陽の恵みは偉大だと実感しますね!  

「いずみ13号」の干し芋は、どこで買えるの?

お店なら、全国の干し芋ファンの聖地を呼ばれる「JA常陸 長砂直売所」 インターネット通販は、「いずみ13号」で検索してみると見つかると思います。

セールスレップである私が担当させて頂いている農家さんで取り扱いは次の2件です。

太陽のIZUMI ほしいもの里 飛田農園

飛田農園さんの作る干し芋 太陽のIZUMI

あまいも -Amaimo-  ほしいも屋・大須賀

希少品種の干し芋を扱う、ほしいも屋・大須賀の「あまいも-Amaimo-」

いつ頃買える?

早ければ9月頃には直売所などの店頭に並びます。
この時期のモノは、その年の3月頃までに加工して冷凍保存しておいた、いわゆる「熟成品」です。

新物と呼ばれるその年に収穫した原料芋を加工する干し芋は、早ければ12月頃に店頭に出て来ます。

ネット通販の場合は・・・ 11月末頃に「平干し芋」の予約がスタートで12月中旬頃からお届け。
「丸干し芋」は、年明け1月頃に予約スタート、お届けは2月頃からが例年の流れになります。

「いずみ13号」は、即完売になることが多いので、要チェックですね!

選ぶコツがあれば知りたい

「いずみ13号」なら、どれも美味しさに満足できると思います。
知っておきたいポイントは、「色」です。

他の品種、例えば「紅はるか」などはキレイで見るからに美味しそうな色です。
それに比べて「いずみ13号」は時間が経過すると黒ずんだ「べっ甲色(飴色)」になります。

下記の画像をご覧頂ければ「熟成」モノの色がお分かりになると思います。
他の品種と見比べてしまうと「色」では見劣りします。
しかし、「甘さ」では群を抜いていますので、「色」や「見た目」で判断しなくても大丈夫です。

ぜひ“幻の干し芋”と言われる「いずみ13号」をご賞味ください。

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