2023.1.13 金融業界の人たちはインフレに興味がない、という話

昨今の日本では「インフレ」が大きな課題となっている。
原材料費の高騰でサントリーなどの食品企業の値上げを発表する中、賃金の上昇は少なく、実質賃金の低下が進行している。
最近賃上げを発表した大企業は、ユニクロを擁するファーストリテイリングくらいだろう(昨日発表の9-11月期決算によると、決して収益が拡大したわけではない)。特に賃金上昇が激しい領域もなく、みんなが損をする、という状況になっている。

今回のインフレの波は、米→欧州→アジア、といった順で進行している。米国ではコロナのパンデミックやテック企業を中心とした賃金上昇のスパイラル、欧州ではウクライナ戦争が追い討ちをかけた。
米国ではインフレ率が6.5%と依然高水準も、2022年6月を最高点としてピークアウトしている。日本はそれに釣られ、やっとインフレが進行してきた状況だ。目下のCPI(消費者物価指数)は3.4%。

流れの発生点である米国、とりわけ金融市場では、すでにインフレの終了を折り込み始めている。目下の焦点は、FRB(米中央銀行、連邦準備制度理事会)が高金利政策をいつまで続けるのか、またそれによって米国経済がスローダウンし、リセッションに陥る可能性はあるのか、だ。

実際、昨日発表の米CPI後のS&P500種指数は0.34%高と、昨年1月以降で最も小さい反応だった。
やはり今後注目すべきはリセッションの可能性、すなわち雇用統計の内容である。



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