ポケカにおけるいろんな確率まとめ: 「単なる事故」で片づけていいのか?(2022/04/27追記)
1.1 はじめに
同じ計算を何度もしてしまうので自分のまとめがてらnoteで共有しておくことにしました。特にYouTubeに上がっている対戦動画は上振れ時を載せている人も多いので、YouTubeの動画を見て「使える!」と思って実際に使ってみると全然回らない、ということが結構多いです。いろんな確率を把握していると、その動画がどのくらい参考になりそうかもわかります。その他にも、上振れだけでなく下振れたのか弱いのかの基準にもなりますし、デッキ構築の参考にできたり、自分のシャッフルの問題に気付けたり、相手の不正行為に気付けたりもするかもしれません。
実際に「なんか計算した確率の割には事故が多いなー」というところからシャッフルの方法を変えたところ、勝率が上がりました。
有料部分は計算に利用したソースコードとか載せてるだけなので購入しなくても全然問題ないと思います。雑に書いたコードなので、あまり人には見せたくないのですが、同じようなプログラムを書こうとしていて、どうしても知りたい、と言う人が1万人に1人ぐらいはいるかもしれないので念のため有料エリアに載せました。
1.2 確率の基準
10%以上に関しては、自分のプレイイングやデッキの調整でなんとかしなければならない事象、1%以下は遭遇しても、逆に、変に慌てず、デッキをいじったりプレイイングを変えたりしないようにしなければならない事象です。ざっとまとめると各確率毎に以下のような特徴があります。
これは経験則なのですが、1%の確率はめちゃめちゃやってればまぁそれなりに遭遇するよね、という確率です。1%の確率の事故はたくさんあるので、1つの大会で1回ぐらいは遭遇します。1%の事故を引いてしまってもプレイイングでカバーして勝てたなら、その大会では良い成績を収められると思います。逆に1%の事故を引いてないのに大会の成績が悪かったら、デッキが悪いかプレイイングが悪いかのどちらかなので調整が必要です。1%の事故を引いて負けたら、「今回は運が悪かった」と割り切って変にデッキやプレイイングをいじったりせず、次の大会にチャレンジした方が良いです。
また、デッキ構築の場合には、重要な現象に関しては90%を目指して構築するのがいいという記事を読みました。
Magic The Gatheringの記事ですが、著者であるFrank Karstenの経験と直観によって90%が良さそう、みたいなことが議論されています。
2.1 1枚刺したねポケモン初動事故率
たとえば、ネオラントVを1枚刺ししたとして、初手7枚にネオラントVが1枚で他にたねポケモンがない場合とかの確率です。他にたねポケモンを何枚入れているかに依存します。計算してみたら事故率は思ったより高かったです。
2.2 4枚刺しのカードが初手8枚に1枚以上来る確率
例えばバトルVIPパス4枚入れたら初手8枚に1枚以上来る確率はいくつか、という話です。これは44.5%です。約2回に1回ですね。
2.3 後攻1ターンに特定のサポートを打てる確率
後攻1ターンにユウリや冒険家の発見を打ちたい場合を想定しています。そのサポートが何枚入っているか、ネオラントVを使う場合にはボール系が何個入っているか、サイドに何が何枚落ちているか、など、いろんなことを考えなければなさそうです。数式で計算するのが難しそうなのでシミュレーションで評価しました。クロバットVは他の手札を何枚落とせるかにも依存するので対象外です。以下は結果のハイライトです。Pythonで書いたシミュレーションのコードと、より詳細な結果は有料エリアに載せました。
単純に対象のサポートを引く確率だけなら、入れるカードの優先度は
の関係にあることが言えそうです。とはいえ、ポケギア3.0は使える場面が多いのでやはり4枚入れたくなりますし、対象サポートも初動でしか使わないなら1枚刺ししたくなります。
2.4 初手8枚にエネルギーが1枚以上ある確率
先行とったら1ターン目にエネルギーは確実に貼りたいですよね。エネルギーを入れてる枚数と初手の8枚に1枚以上エネルギーがある確率です。
2.5 後攻1ターンに博士の研究を使った場合にエネルギーを1枚以上引ける確率
後攻を取った場合を想定して、単純に1.4の検証にサポートで博士の研究を打った場合を追加して、8 + 7 = 15枚めくったときの確率です。10枚ぐらい入れておけばほぼ確実に後攻1ターン目に手貼りできそうです。
2.6 初手8枚にエネルギーが4(3)枚以上ある確率
初手エネルギー手貼りしたいです。かといって、4(3)枚以上手札に来られるとそれはそれで困ります。そんな確率を計算してみました。数式がめんどくさそうだったのでシミュレーションで算出しました。Pythonで書いたシミュレーションのコードは有料エリアに貼っておきます。
2.7 初手8枚に特定のカードが来る各枚数毎の確率
デッキに9枚入れてるエネルギーが初手に4枚来てしまってどのくらい運悪いんだろ?確率どんなもんだろ?と思ってシミュレーション回してみました。入れている数が4以下の場合はある特定のカードを対象としています。たぶん数式でも求められるレベルの話です。ちなみにデッキに9枚入れてるエネルギーが初手に4枚来る確率は1%ぐらいだったので、まぁ運が悪いとよくあるぐらいの確率だな、という結果でした。他にも、例えば3枚入れているマリィが初手8枚に3枚とも来たらその確率は0.17%なので、まずシャッフルに問題があると思った方が良さそうです。
2.8 サイド落ちの確率
サイド落ちは勝敗を左右します。たぶん式でも計算できますが、少し複雑になりそうだったのでシミュレーションで計算してしまいました。エネルギーとかも踏まえて同じカードを5枚以上の数を入れた場合の確率もシミュレーションしてみました。シミュレーションのコードは有料エリアに貼っておきます。
シミュレーション回して分かったことは以下の感じです。
2.9 1ターンが始まる前の手札にたねポケモンがいない確率と相手が追加で引くことができる枚数の期待値
対戦がはじまるときにお互いに7枚ずつ引いてたねポケモンがいない場合、自分は引き直しになり、相手は1回の引き直し毎に手札を1枚追加で引くことができます。たねポケモンが少なければならないほど最初の7枚にたねポケモンがいる確率が低くなり、相手が追加で引くことができる枚数が増えていきます。そのたねポケモンがいない確率と、その確率において追加で引くことができる枚数の期待値を計算しました。期待値の導出に使用した数式は有料エリアに載せておきます。
2.10 初手札7枚にたねポケモンが来てゲーム開始時にバトル場に置ける確率
例えば、メッソンをゲーム開始時にバトル場に置いてスタートしたいとします。メッソンを4枚入れていて、それ以外のポケモン、例えばアルセウスV、マナフィ、ノコッチが合計5枚入っていた場合、メッソンをスタート前にバトル場に置ける確率は56.6%となります。
表の縦のラインが5枚以上もカバーしているのは、例えばメッソンラインとふしぎなしっぽのミュウ両方採用していて、ミュウでもメッソンでもいい、という場合がありうるかな、と思ったからです。表から読み取れるのは、90%以上自分の思い通りのたねポケモンでスタートするのはかなりハードルが高いということでした。
この計算はシミュレーションで算出したのですが、シミュレーションのコードは有料エリアに貼っておきます。
2.A 参考サイト
実は記事を書いた後にnoteの「こちらもお薦め」で出てきて気付いたのですが、似たような記事はいくつかあったようです。
3.0 ここから有料エリア: 深掘り記事
主にPythonのソースコード、数式、より詳細な解析結果を載せています。
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