店で見かけた ダースベーダーまがいの男の話し

子育てをしてると、
なかなか一人でお出かけって
 出来ないですよね。

私の場合、
有りがたいことに
彼が子煩悩で、
「いつでも出かけて気分転換しておいで」
と ありがたい言葉をかけてくれます。

でも 
そうやって
素敵な言葉をかけてくれる彼の顔は
目の下にビックリする程大きなクマが出来
顔色も悪く 
体全体から 疲労感が溢れ出ている。

自分のエネルギーバロメーターの限度を
把握していない彼は
帰宅後
「大丈夫」
と言った 数十分後に限界が来る。

もともと 
力が有り余っているタイプの人間ではない

だけど、毎日
気をはって 気を使って
物事全てに全力で取り組むので
エネルギーの消耗が激しい。

なので、
疲労困憊の彼に
「ありがと～ 行ってくるね～」とは言いがたい。

それとは別に
 一人で出かけない理由が他にもある
コロナだ。

それによって出てきた
アジアンヘイトクライムと
ホームレスの増加に伴う治安悪化。

いくつかの理由があって
今は 一人でのお出かけは
極力 行ってない。

でも ヤッパリ
気分転換もしたいので
たまには
近くの食品スーパーに買い物に行く
その時 その男性に出会った。

閉店１時間前の店内は 客もまばら。

そのおかげで
ソーシャルディスタンスを
気にすることなく
店内を見て回れる。

その時 
突然 背の高い男性の後ろ姿が
私の視界に入ってきた。

店内なのに
黒いヘルメットを被ったまま
商品を見ている。

やはり 一瞬
ドキっとする
強盗か!? と。

でも この男性が振り向いた時
顔は全部見えたので 安心した。

顔の部分は
防毒マスクのようなデザインで
かなり密着してる感じ。

彼とすれ違う際は 
やはり少し警戒した。
何もなかったけどね(笑)

その時に気づいたの。
腰には 
使い込んでる感じの
白いボタンのついた
小さな箱状な物を引っ提げてる。

一体何なんだろう??

疑問に思うのと同時に不安にもなる。

爆弾のボタンだったらどうしよう...
新手の強盗か...

考えると不安が増すだけなので、
必要なものを
カートに入れて レジへ向かった。

カリフォルニア(私の知るかぎり)では 
スーパーの夜のレジは
1つか2つしか開いてない。 
防犯状の理由だろう

たとえ
長蛇の列が出来ても、
レジの数は変わらない。

そして その日も
レジは1つのみ。

行くと
さっきの不気味な男性が
既に並んでいる。

しまったー  先を越された....。

この店には
セキュリティの男性が
常時いて
入り口付近か
レジの側に立っている。

なぜか こんな時に限って
見当たらない

仕方がないから
彼の後ろに並んで待つ。

気持ち
2m以上距離を開けてね。

彼の前にいた
男性客が
レジの人と スモールトークをしながら
支払っている。

そして
その不気味な男の番がきた。

店員が「Hi, how are you?」
と声をかける。

店員の女性も
若干 この異様な姿の男に
警戒してる感が伝わってくる。

その時
カゴから商品を出している男性が
おもむろに
 腰のボタンに手を伸ばした。
そして...

「I'm good. thank you 」

しゃべるためのボタンだったんかーーい!!!

思わず心のなかで叫んでしまった。

もう その後は
彼に釘ずけだ。

声は ダースベーダーのような
機械音。

店員の女性と
普通にスモールトークをしている
何度も
腰のボタンを押しながら。

自分で作ったのかな?
カッコいいって思ってるのかな??
絶対 ダースベーダー意識してるよね!!!
等々 。

直接
本人に聞きたくてウズウズしてきたが
英語では やはり聞けないので
聞きたい気持ちを
グッと抑えながら男性を見ていた。

男性が いよいよ
支払いを終え
お釣りの小銭をしまっている時に

店員が「Have a good night 」
と言った直後

このダースベーダーが
「You too, Thank you.」
って ボタン押さずに 言いよった!!!


ボタン使わんでも声聞こえるじゃんっ!!!!


直ぐにボタンを押しながら
「 You too,  Thank you. 」
って言い直してたけど

いや いや いや！うちら 
もうあなたの生声 聞いちゃってるし
ボタン要らんでも 
十分 声聞こえてるし
絶対 ダースベーダー意識してるよね
最後に 油断したね～

って 心の中で沢山つっこんだ。

彼の
最後の詰めの甘さに
笑いそうになるのを抑えながら
自分の支払いを済ませる。

車に戻る際
ダースベーダーがまだいないかと
キョロキョロしたが
闇の世界に戻った後だった。

早く この事を誰かに話したくて
急いで帰宅。

彼に話すと
爆笑しながら
「動画は撮らなかったの」って。

それは
流石に無理っしょ。
ダースベーダーの直ぐ後ろで！(笑)
フォース使ったらどーするの！?

久しぶりに 一人で出かけ
思いがけず出会った
詰めの甘い ダースベーダー。

もう一度
どこかで会いたい。
私は あなたに夢中です。

最後まで読んで頂きありがとうございます