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続・弾けないけどな・・・・SGプレイヤー考

   先だって、レスポール・ジュニア・プレイヤーについて勝手気ままに記したが、私の初恋ギターはジュニアではない。ギブソンのSGなのである。だから私の好むSGプレイヤーを記しておかないと収まりがつかない・・・・といつもの如くこじつけるのである。
 では、いつからSGを、となるのだが、私の脳裏にある最も古いSGにまつわる記憶は・・・・。


   これである。ジョージ・ハリスンが持っている赤いギター。たぶん13歳くらいの時だと思う。ビートルズを特集したパンフに載っていたこのシングル盤のジャケットを見た時である。突っ込みを入れると、収録曲の「ペニー・レイン」~「ストロベリー・フィールズ」と写真の時期は相当―というか半年くらいだが―ずれていて、今となっては違和感バリバリであるのだが、まだビートルズ初心者であった小僧っこの私は、うーん、かっけーとぼんやり思ったのだった。もっと厳密にいうならば、ジョージだけでなく、メンバー全員が、であったが。
 はっきりと、SGの存在を意識することになったのは、香月利一氏の著書『ビートルズ辞典』に載っていた写真である。今回本を探してみたのだが、見つからないのは残念であった。
 『ビートルズ辞典』に掲載されていたのも、確か上のときと同じ写真であったはずである。


   先の写真と同様、これは「ペーパーバック・ライター」~「レイン」の宣伝用フィルム撮影中のものである。実際の曲のレコーディングにも使用している。それにしても、この頃のジョージ・ハリスンのかっこよさよ。ギターを弾くだけの姿で言えば、999のガイ・デイズが一番であると思うが、ビジュアル全般で判断すれば、ここでのジョージが私の中では一番である。


 

このフィルムが鮮烈なカラー映像で初めて観れたとき―96年の元旦早朝、仕事の徹夜明けで家に帰り、留守録していた『アンソロジー』のテレビ放映分で観たときであった―感動したものである。


   この人を知ったのは高校の2年のときか。ミック・テイラーである。テイラーというと、レスポールを持った姿が圧倒的に有名だろうし、その時期の方が評価は高いのだろうが、私にとってはSGを使っていた、『ゲット・ヤ―・ヤ~』~『スティッキー・フィンガーズ』の時代である。まあレスポールの方が音はいいと一般的には見なされているのだろうが、私はギタリストではないのであって、世評はどうでもいい。

これは『ギミ―・シェルター』からのもの。「サティスファクション」である。テイラーのソロは実に安定したピッキング。当時まだ21歳だったはずだ。恐るべし。
 さて、次に来る人、となると―


   この人は外せない。ブライアン・ジェイムスである。もう今更くだくだしい説明は不要だろう。近年は再びSGを使いだして、誠に喜ばしい。しかしブライアンはSGでもテレキャスでも、弾けば、「あの音、あのフレーズ」になるのだ。まさに一流のスタイリストなのだな。ことギタリストとしてそのフレーズ作りに関してなら、個人的にナンバーワンである。

何度も言うが、私のベストなダムドはアルジー・ワード期だが、このオリジナル・ダムドの味わいも格別である。そしてブライアンは卓越したソングライターでもあることを、まざまざと思い知る。


   そしてこの人も忘れるわけにいかない。ロビー・クリーガー。ドアーズと言うと、どうしてもジム・モリスン、ってことになってしまうのだが、ドアーズは決してモリスンのワンマンバンドではない。他の3人もいてこそのドアーズだったのであって、モリスンだけではドアーズは誕生しなかったろう。さらには、「ライト・マイ・ファイア」や「タッチ・ミー」はクリーガーの作品なのだ。クリーガーがいなかったら、ドアーズはここまで売れなかったろう。ギタリストとしてもすごくユニークなのだ。フィンガー・ピッキングだし、フラメンコも弾ける。ブルースのスライド・ギターも素晴らしく上手い。

「ウィッシフル・シンフル」は『ソフト・パレード』収録曲。シングルとしても出ている。アルバムの評判が悪いせいなのか、ほとんど話題にならない曲だ。でも私は大好きである。レコードではストリングスにごまかされている(?)メロディーの美しさが、この4人のみのライヴではくっきりと浮かび上がる。クリーガーのギターも細かいニュアンスに富んだプレイを聴かせる。こうしてドアーズのライヴを聴いていると、ベースがいないからこそのドアーズなのだな、と言いたくなるが、それは別の機会に述べたい。


    人間椅子・・・・。個人的にはこの中では最も詳しくない。このバンドはオリジナル・メンバー時代しか知らない。今持っているアルバムは1stのみである。だからここに載せるべきではないのだろうが、やはり最初にテレビに登場した時の模様を、リアルタイムで観て仰天したことは、今も記憶に鮮やかだ。

これがその時に映像。よく残っていたものだ。イカ天の審査員どもが、いかにもキワモノっていう態度モロ出しだが、私は全く笑えなかった。衝撃だった。パンクだよって思った。今でもパンクだと思う。人間椅子の曲にはレスポールは似合わない。SGの、より硬い音の方がしっくりくる、と思う。しかし、上手いよね。当たり前か。


    最初はここで終わりにする予定だったが、この人も入れておきたい。これまた詳しくないのだが。デュアン・オールマンもレスポールの人、なのであろうが、SGを持ってスライドをかます写真を見つつ、このライヴを聴いていると、「やっぱすげえなあ」と思ってしまう。

これも説明不要だろう。名盤である。

 ジュニアに比べると、SGははるかにポピュラリティのあるギターなのだという事が、今回改めて認識できた。使っている人が多いのだ。ジュニアよりも汎用性があるし、やはりあのデザインの秀逸さだろう。
 他にも好きなSGプレイヤーはいる。ピート・タウンゼンド、フランク・ザッパ、タム―ザ・スターリンの人さ―・・・・。しかしこの人たちは個別に記したいので、あえて外した。
 それにしても、最近のギターのお値段。円安ってこともあるのだろうが、やたらと高いと思うには、私だけなのだろうか。