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アフターコロナにおける医療従事者のモチベーション戦略


こんにちは、鯨岡です。


働き手のモチベーション管理は、組織運営していく上でも言わずもがな切り離すことの出来ないテーマですよね。

価値観のあまりの多様化に加え、アフターコロナの働き方がよりそれを複雑にした感があります。



何にモチベーションを感じる?


あなたは今、仕事において、モチベーションの度合いはいかがでしょうか?どんな時にやる気が上がるでしょうか??


よく組織では「2:6:2の法則」なるものが言われてたりします。これは組織を見渡した時に、優秀で意欲性の高い人は上位2割、平均的で普通に働く6割、そして意欲性とパフォーマンスの低い下位2割、のように分かれる、というのを表したものです。おおむね当たってる気もいたしますし、加えて良い人ほど辞めてしまう?、なんて話も実感するところではあります。


一般社団法人日本医療経営実践協会が行った、仕事に「やりがい」や「プロ意識」を求める回答者群を「モチベーションが高い人材」と設定し、彼らが求めているのは何なのかを抽出した調査「モチベーションが高い医療者が望む働き方改革は何か」では、結果、「職場の雰囲気」や「休暇の取りやすさ」が上位にある前提ではありつつ、対象群に比べて「人的なつながり」がモチベーションを高めてる要因として重視していることが分かりました。

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そもそも、意欲性が様々であることと、またライフステージにより、例えば育児など、仕事に注力したくてもできない、といった事情もあります。

何でも多様性で片づけてしまってはしょうがないのですが、色んな意欲性がある中で、皆を総じてモチベーションを引き上げる!というのは至難の業になりますが、逆に皆の「意欲性を引き下げない」というのも一見後ろ向きですが、大事な要素なのです。

デキる人が能力を余して手持ち無沙汰にならないような役割づけや業務分担が必要ですし、中間層や下位層への動機づけコーチングも欠かせません。


正当な評価制度を考える


このモチベーションに関しては、様々な切り口があり、一筋縄ではいかないところですが、(たとえば表彰制度や飲みニケーションなど)イベントなど 付け焼き刃的にしたところで、根本が変わる訳ではありません。また、教育制度の有無が必ずしも直結する訳でもありません。


外的報酬の観点から考えると、やはり各々の「頑張り」や「向上心」がどのように評価されるかーその正当性・公平性の担保は重要です。具体的な昇給への紐づけも、頑張ろうが頑張るまいがなかなか差が見えづらい中、何とか実現できないものか。

そのためにも、「常に見ているよ」ということを事あるごとに伝えること。 結果だけでなく過程に目を光らせることと、(知らずに陥りがちな)印象やイメージなどのハロー効果に寄らない評価が大切になります。


私たち医療介護専門職にとって、クライアントさんの役に立った!感謝の言葉を頂いた!というのは無類の報酬である訳ですよね。

これは内的な報酬の観点になるのですが、一つの案として、これまで何度かお伝えしているPX(患者体験価値)の活用です。クライアント様からの喜びの声をどう聴取し、担当者に届けるか。そして、どう評価に反映させるか?

この観点は、業界的にもまだ後手ではありますが、現場でありがちな「私はこんなに頑張ってるのに!」という思いを補完する決め手になるかもしれません。ぜひ検討すべきポイントです。

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対話そのものがモチベーションを高める?!


専門職も一人の人である以上、モチベーションの有無は、言葉と言葉を交わすという、対話にこそあるかもしれません。

なぜやる気が上がらないのか?そもそも、対話はどの程度しているのか?そう、意外に話していなかったりするのです。


人は口から表出し、アウトプットする行為そのものが動機づけであり、相手の反応が見えるからこそ、気づきの機会となります。

また、上司と話していない=考えてることが分からない=先が見えない・・・ これじゃ、やる気は湧きませんよ。こちらもとかく誤解や邪推をしてしまいがちです。

まさに「下手な考え休みに似たり」。人が悩みのモードに入るのは、思考が堂々巡りになってしまう時です。シンプルに言葉を交わしてみることが、気分が晴れ、次へのアクションに繋がっていくのです。だからこそ、「1on1」が生きてくるのです。

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最後は自分マネジメント!?


こう言っては元も子もないのですが、笑

スタンスという意味で、一つには、他力本願ではなく、自分の中でのモチベーションマネジメントをどのようにするか、にかかっています。他の誰かが私のことを元気にしてくれる訳ではないのです。

ハイパフォーマーほど、自己マネジメントが上手。他の事象や人の言ったことにいちいち影響受ける自分ではなく、自分自身でどう“ご機嫌”になるか。


これは「フォーカス」、つまりどこに意識の焦点を当てるか、なのですが、事あるごとに「自分」⇆「他者(組織)」を行ったり来たりさせる。矢印が、今どちらに向いているのか?自分ではどうしようもない、コントロール出来ないことに向いていないか。自責でなく、「他責」視点になっていないか。

仏教の用語で「自利利他」という言葉がありまして、これは「他者の利益や幸せのために行動することが、結局は自分の幸福につながる」といった考え方です(京セラ・KDDI創業者の稲盛和夫氏の経営理念としても有名です)。
これも、私たち医療介護従事者にとって、とてもフィットしやすいフォーカスの仕方だと感じます。



ただでさえ、モチベーションなど生まれづらい世の中。
それこそ手法は色々あります。
今一度、貴施設のスタッフが、一体何にモチベートされ、逆に何がモチベーションがげんなりしてしまう要素になっているのか、再チェックしてみてはいかがでしょうか!?



昨年9/9に、「師匠ch」オンラインセミナーにて講演した内容が、ちょうど今回のテーマにも合致するかもしれません。ぜひ併せてお読みください!↓


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