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なつやすみ文字まんが怪談 忍者のたたり

この世には、あなたやわたしたちの知らないこわいことがたくさんあるかもしれません…オット!これからお話しされるこわい話を読んで、夜中トイレにいけなくなってもしりませんよ!

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ワーッワーッ
「アアアーッ、またキャプテンの鉄也君のタッチダウンだ!キックも凄い!」「もう彼の独壇場だな!」「キャーッ鉄也くーんッ!!」

ここは名門 徳川高校の運動場 今日もアメ・フット部の花形にして生徒会長の鉄也くんは大活躍です。

試合後!

「チェッ、勉強もスポーツも鉄也さんが何だって一番なんだもんな!やる気がどっか行っちまうでヤンス!」
「なんだとヤン介!朝練サボるお前に言われる道理はないぞ!」
「ゲーッ!鉄也さん!いつから聞いてたでヤンスか!?」
「まあ、鉄也クンったら、先生方から末は博士か大臣かって言われているというのに、相変わらず怒りん坊なのは治らないのね!」
「アッ、君はぼくの幼なじみで学園のマドンナのキヨ子さんッ!やいヤン介、お前のせいでキヨ子さんにみっともないところを見られたじゃないかッ!」
「ほら鉄也クンったら、やっぱり怒りん坊じゃぁないの!」
「ムググ…」
「や〜い赤くなってるでヤンス!」
「こいつ調子にのって!」
アハハ…アハハ…

その夜!

「ハハハ!それにしてキヨ子さんのむくれツラときたら、可愛らしかったものだ!よし、今日も寝るとするか ウウム、それにつけても気になるのはこの十年の間、毎晩欠かさず同じ悪夢を見ることだ!おそらく気のせいか神経症かなにかの類であるから、今日はきっと見ないだろう!」

しかし、鉄也くんが眠りにつくと…

『鉄也…聞いておるか鉄也…忍術修行をするのだ…ちゃんとするのだ…忍者になるじゅんびをせよ…』

「ハッ!またあの悪夢を見て飛び起きてしまったぞ!マッタク!この科学万能の時代に、おかしな夢だナア!」

それから鉄也くんは朝になるまで、チットモ眠れませんでした。

通学路!
「おはよう!マァー鉄也くんどうしたの!アラン・ドロン顔負けのハンサム・フェースが台無しじゃない!」
「うむむ…実はへんな夢を見てしまってね、忍者がどうとか…キヨ子さんに何か心当たりはないかい?」
「アラ!フランス帰国子女のワタシが、忍者なんかの知り合いがいる訳ないじゃないノ!おかしな鉄也くん!」
「ヤンス!」
「あっ、ヤン介、お前いつのまに!」
ワハハ…ワハハ…

その夜!
「ハハハ!それにしてヤン介の慌てた顔ときたら、おかしかったものだ!よし、今日も寝るとするか ウウム、それにつけても気になるのはこの十年の間、毎晩欠かさず同じ悪夢を見ることだ!おそらく気のせいか神経症かなにかの類であるから、今日はきっと見ないだろう!」

しかし、鉄也くんが眠りにつくと…突然強烈な光が!
「ウワーッ!なんだこの強烈な光が!」
するとなんということでしょう、鉄也くんの枕元に忍者神さまが立っているではありませんか!
「アーッ!あなたは忍者神さま!」
「鉄也!この愚か者め!わたしが毎晩毎晩警告しておったのに聞く耳を持たずにアメ・フットのようなスポーツ活動や勉学にかまけおって!」
「違うんです!許してください!」
(ウムム…とすると毎晩欠かさず見ていたあの夢は本当のことだったのか!これは困ったことになったぞ…)

「このもやしっ子め!」
忍者神さまの目が発光すると、殺人光線が鉄也くんを襲います。
「グギャアーッ!!」
「わしの言う事を全然聞かないからこうなるのだ!わかったか!」
「ウワーッ!わかりました!忍者の修行に励みますから!だから今すぐ許してください!」
「馬鹿め、もはや手遅れだ!!」
ウワァァァァァ ウワァァァァァ ウワァァァァァ

翌朝!
「鉄也!鉄也ったら、どうしたの今日はこんなに寝坊して…マァーッ!!」
おかあさんが部屋を開けると、鉄也くんのいた布団の上には手裏剣が一つだけ残されていました。
おかあさんが試しにその手裏剣を投げてみると、風を切る音がまるで「助けてくれええ 助けてくれええ」といっているように聞こえました。
そう、鉄也くんは手裏剣に変えられてしまったのです・・・・

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これでかわいそうな鉄也くんの話はおわりです!

とってもこわい話でしたね!

え?なんですって?自分には関係ない?本当にそうでしょうか…忍者神さまはわれわれのすぐそばにいるかもしれません、そう、これを読んでいるあなたのうしろにも、いま、まさに…

ヒーッヒッヒッヒッヒ………

(おわりです)


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